表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした  作者: 葉柚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/147

38

『ああ、第二部なんだ。開発中のシナリオととても酷似しているんだ。』


「そう、そのシナリオってどうなっちゃうの?」


マコト様とユキ様の会話は続く。

マコト様とユキ様の会話から察すると、とある開発中の乙女ゲームの内容と現在の状況が酷似しているそうだ。

ただ、その乙女ゲームの開発中にマコト様が、こちらの世界に来てしまったから最終的にどうなるかまでは、わからないらしい。

マコト様が知っているのは、皇太子の妃となった第一部でのヒロインが出産するために田舎に戻ることになって、その際の出産により危篤状態になってしまうところまでだった。

そこから物語は始まり、最愛の妃が危篤状態で落ち込んでいる皇太子に、新たなヒロインが彼の心を癒していくという筋書きらしい。


「そんなシナリオ酷すぎるわ!!」


『私もそう思うよ。婚約者がいる男性を奪うのも酷いけれども、出産により危篤状態の妻がいる男性を奪おうとするなんて狂気の沙汰だ。とても誉められたことではないと思う。もちろん私たちはそのシナリオに反対したんだけどね。このシナリオを押す同僚の勢いに敵わなかったんだ。』


「そもそも、そんな乙女ゲーム誰も買わないでしょ!むしろそれ、悪女じゃない!悪女ゲームよ!」


確かに酷すぎるシナリオのように思える。

端から見ているとヒロインが弱っている皇太子につけこむだなんて、あまりにも酷すぎる。

弱っている皇太子殿下の心を癒してあわよくば後釜を狙うだなんて、そのヒロインと呼ばれる人は性格が悪いのではないだろうか。

そんなヒロインと結ばれても皇太子殿下は、幸せなのだろうか。

ふと、そう思ってしまった。


「それより、マコト。エドワードは大丈夫なの?」


『………わからない。陛下の命令で、ヤクモーン王国へ向かったっきり連絡がつかなくなってしまった。』


マコト様の言葉に衝撃を受ける。

ヤクモーン王国と言えば、隣国ではあるが、ハズラットーン大帝国とは仲があまりよくないのだ。

その隣国に向かったということは、和平の申し入れだろうか。それとも、侵略のための情報収集?

皇帝陛下は領土拡大を常に念頭においていた。もし、ヤクモーン王国を手に入れたいと考えていたら?

エドワード様は敵地に赴いたってこと?

しかも、連絡がとれないだなんて、どういうこと。


「そんなっ………。どうしてっ………。どうしてっ!」


『エドワード様からの最後の連絡は、レイチェル様をくれぐれもよろしく頼むということだった。』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ