エドワード視点7
「レイ!レイ!」
私の子を宿したレイチェルの隣で眠っていると、レイチェルがうめきだした。
その声はとても辛そうで、聞いているこちらまで泣きたくなってしまうような声だった。
私はレイチェルの目を覚まそうと、トントンと軽く肩をたたき、レイチェルと名前を呼び続ける。
「起きて、レイ!」
何度も何度も魘されているレイチェルの名を呼ぶ。早く起きて。そんな気持ちをこめて何度もレイチェルの名を呼ぶ。
そして、私の気持ちが通じたのか、ゆっくりとレイチェルの目が開いた。
「ひっ・・・」
レイチェルの口から怯えたような声が漏れでた。
いったいどんな夢を見ていたのだろうか。
私の顔を確認して小さく悲鳴をあげるのだから、私の夢を見ていたのだろうか。
それも、私がレイチェルにひどいことをする夢なのだろうか。
夢のなかの私はいったいレイチェルに何をしたんだ。
「大丈夫かい?レイ?」
優しくレイチェルに問いかける。
怯えないように優しく。
レイチェルの手をとり、やさしくその白く滑らかな手に唇を寄せる。
「とてもうなされていたよ?怖い夢でも見た?」
思いっきり問いただしそうになる自分を律して、殊更優しくレイチェルに問いかける。
レイチェルは戸惑いながらも、ゆっくりと口を開いた。
「夢・・・を見ていたのかしら?」
「ずっと、魘されていた。とても怖い夢をみていたんだね。大丈夫だよ、レイ。私がそばにいるから」
そう言ってやさしくレイチェルのことを抱き締める。
抱き締めたレイチェルの身体は悪夢の影響のためか、いつもより身体が冷たいように感じた。
レイチェルの身体を暖めるように、囲うと少しずつレイチェルの身体から力が抜け、私に身体を預けるようにもたれかかってくる。
緊張が少しほどけたようだ。
「とても怖い夢を見たのです。エディが私から離れていく夢。そうしてエディが異世界からの迷い人のマコト様の手を取る夢を見たのです。」
レイチェルの発した内容に驚きを隠せない。
私がレイチェルから離れるだと・・・!!
そんなこと、私は一切考えていないというのに。
むしろ、レイチェルのことをずっと側に置いておきたいくらいなのだ。
レイチェルが嫌がっても、側に閉じ込めておきたいくらいなのに。
だが、どうして、レイチェルは異世界からの迷い人の名前を知っているんだ?
迷い人のことは伝えたがまだ性別も名前も告げていないはずだ。
「私は君に異世界からの迷い人の名前を言ったことがあったかい?」
「え?」
おどけたように問いかければ、レイチェルの驚いた声が聞こえてきた。




