エドワード視点4
愛しいレイチェルの顔は血の気を失ったかのように、真っ白になっていた。
私は急いで、レイチェルをベッドに横たえる。
侍医を呼んでこなければ。
そう思うが、気を失っているレイチェルの顔を見るととても離れがたい。
それに、
「寝ているレイチェルは眠れるお姫様みたいに可憐で美しいな………。」
私はレイチェルの美しさに目を離せなかったのだ。
早く侍医を呼びに行かなければならないことはわかっている。わかってはいるんだが、離れがたい………。
「私が呼んで参ります。エドワード様はこちらでレイチェル様とともに待っていてください。」
ロビンがそう言って颯爽と部屋を出ていく。
流石はロビンだ。
幼い頃から私についているだけあって、私がなにを考えているのか手に取るようにわかるみたいだ。
しかも、レイチェルが側にいるときは気配を消してそっと控えているし、私はいい友を持ったものだ。
「ああ、頼む。」
ロビンが侍医を呼びに行っている間に、私はレイチェルをじっと見つめていた。
美しい顔にはうっすらとだが、汗が浮いているようだ。
私は綺麗に畳まれた絹のハンカチをとりだし、レイチェルの額に浮かんでいるわずかな汗を拭き取る。
ふむ。このハンカチは捨てられないな。大事にしまっておかなければ。
そうこうしているうちに、ロビンが侍医を連れてやってきた。
「レイチェル様がお倒れになったとか………」
「ああ。吐いたり苦しんだりはしていないから、毒が盛られたわけではないようなんだが。急に気を失ったのだ。」
侍医にレイチェルが倒れた経緯を説明する。
すると侍医は「ふむ」と頷いてから、レイチェルの手を取り、脈を確認する。
顔を覗きこんで顔色を確認したり、呼吸を確認したりしている。
医療行為だとわかっているのに、「レイチェルから離れろ」と言いたくなってしまう。その気持ちをグッと我慢する。
私はいつからこんなに、器量が狭くなったのだか。
「それほど心配することはございません。しばらく安静にしておれば大丈夫かと思います。また、私の専門外の分野になりますので、皇后様付きの侍医を呼んで参ります。」
「レイチェルはどうしたのだ?」
心配することはないと言いながらも、専門外ではないから皇后の侍医を連れてくるとは、どうしてなのだろうか。
しかし、そう進められれば断り辛い。
それに、皇后付きの侍医は女性だ。
女性にレイチェルを診てもらう方が私としてもあらゆる意味で安心できる。
「私の口からはハッキリと伝えられませんので、皇后様付きの侍医を呼んでくるまでお待ちください。」




