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23 エピローグ
――――人間には、意味がない。ならば、私が人間である必要はあるのだろうか。
脳内に残されたログ。私が否定した私の一部。私が私であることに意味はないし、私は特別なんかじゃない。
南条静乃はただの高校生でしか無いのだから。
「文芸部、新入部員募集中です……よろしくお願いします」
「おー、しずのんじゃん! お久しぶりっ!」
「北見先輩、お久しぶりです」
彼女はペコリとお辞儀をする。今の部長にしてはまだまだ未熟な部分が目立ってはいるものの、精一杯頑張っているのではないだろうか。
「もう卒業しちまったし、先輩はよしてくれよ」
「先輩はいつまでも私の先輩ですよ」
少しだけ柔らかくなった表情。あのときの死んだような目とは違って、しっかりと光がともっている。
「なあ、しずのん。何かあったのか?」
「……ちょっと変な夢を見ただけです。次の文集のネタになるかもなので楽しみにしておいてくださいね」
人間はあれくらいでは変われない。そんなこと、誰だって気づいているのに。誰だって、わかっているのに。
それでも見捨てられなかったのはどうしてなんだろうね?




