表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコのVRMMO世界ゆったり観光旅行  作者:
【第一章】世界旅行の始まり
3/25

2.旅の準備

 空中を二度、素早くタップしてみる。

 すると半透明の画面……ウィンドウが目の前に出現した。


「できた……!」


 お姉ちゃんに教えてもらった通りにできてホッとする。これは重要なものだと聞かされていたから。


「ええといっぱい項目があるな。アイテムに武具、ステータスにログアウト……」


 なるほど、ここで色々できるんだね。


 ……さて、とりあえず基本的なシステムについては理解した。あとは準備を整えて出発するだけだ!


「よーし!」


 大通りに設けられた商店街に駆けていく。


 同じくまだ始めたばかりだろうプレイヤーたちが見つめる先には、多種多様なアイテムが並べられていた。ポーション……? っていう回復アイテムだったり、指輪とかブレスレットとかのアクセサリー。


 ……ん? 一つだけ妙に人が少ないお店がある。


 それは一番端っこに配置されていた露店だった。歩み寄るとそこには、RPGにはあまり必要とは言えないアイテムたちが置かれていた。


 フライパン、火打ち石、片手鍋、マグカップ……などなど、旅用品が並べられている。多分みんなにとってはあまり必要のない物だし、興味がないのかな。それと無駄にお金を使いたくないのかも。


「「ええっ!?」」


 だから購入すれば、みんな驚くよね。


「まいどありがとうございます!」


 そんなプレイヤーたちとは対照的に笑顔で頭を下げてくる店員さんに同じ動作で応えると、わたしは逃げるようにこの場を去っていく。


 ……ちょっと恥ずかしかったんだもん……。


 でも、何がともあれ旅用のアイテムを手に入れたんだ。初期費用はほとんど使っちゃったけど、よしとしよう。


 さて、念のためアイテムを確認しておこうか。……アイテムポーチを開いて、と。



【安物のフライパン】ランク:F

効果

食材を投入することで、料理を作成できる。

※ランクE以上の食材を使用すると、自動的に失敗作となる。


【火打ち石】ランク:F

効果

二つ消費することで火を起こすことができる。

(対象は木材や紙類など)

残数:2


【安物の片手鍋】ランク:F

効果

食材を投入することで、料理を作成できる。

※ランク:E以上の食材を使用すると、自動的に失敗作となる。


【マグカップ】ランク:F

効果

液体を溜めることができる。



「完璧だ……!」


 ふふんふふん、と。満足感があふれてくる。


 これであの旅番組と同じような旅ができるぞー!


「……っと、そうだ」


 肝心なことを忘れてた……!


 旅といえば、アレが必要不可欠!


 そう考えわたしが行なったのは、ウィンドウの表示。そこからアイテムポーチを開き、画面端のシステム操作をタップ。



 ――旅を味わいたいなら、いい方法があるわよ。



 そうお姉ちゃんが教えてくれた通りに操作を終えると、背中に軽い感触がのしかかった。


 振り返ればそこに、バックパックが出現していた。


 これは『物体オブジェクト化』というシステムらしい。確かアイテムや武器も物体化を利用して扱うものなんだっけ。


「ふふんふーん」


 背中が心地いい、やっぱり旅のお供はバックパックだよね!


 鼻歌を歌いながら何度も背負い直した後、


「さあ、行こう!」


 わたしは始まりの街の外に向かって歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ