8 無意識に作られると怖い⑤
「つまり灯台とは自然の中には無い人工物で悪天候の時や夜間でも遠くから認識出来なければならない」
ナトリへとやってきたメイとリュリュはマサルに捕獲され灯台の心臓部とも言えるレンズの制作へ立ち合わされていた。
実際のところ火を焚いて道標にするので少々レンズの精度が高かろうがそれほどの距離に光は届かない。魔法で光自体を出せない事はないが燃費は悪く使い物にならない……それに使い手もいない。灯台で使うなら平時に誰でも使える仕様が必要なのだ。
「という事で火の熱も考慮して二重構造のガラス板で火を囲う事にしよう」
「師匠、具体的なスペックがどれくらい必要とか分からないんですか?」
「流石に、灯台の内部に必要とされるスペックなんて俺も知らないから色々と試してみるしかないな。実際に必要になるまでには十分な期間があるから取り敢えずテスト&エラーの繰り返しだな」
テスト&エラーと言えば聞こえは言いが、どんぶり勘定で適当にやっているとも言えるのである。
「師匠がテストしながら物を作るなんて珍しいよね」
「海に出てから作ったんじゃ意味がないから取り敢えずの設備でも作る必要があるんだよ」
いくら神様になったとはいえ知識は勉強や経験をした物しかないし、発電機器の開発は本気で物作りしか出来なくなりそうなので決心がつかないのだった。
「今回はガラスを凸レンズに加工して使用するからメイもリュリュも頑張って手伝ってね」
ガラスの加工自体はスキルを使用し意外と簡単に出来るのだったが、表面の仕上げが思ったより上手くいかずにメイとリュリュは永遠とレンズを布で1週間近く磨き続ける事になるのであった。
風邪引きしてます( ̄▽ ̄;)
急に寒くなったけど皆さんは風邪引かないようにね