5 無意識に作られると怖い②
書いて用意していた文章約20000文字が保存のミスで消えてました( ノД`)…
眠くてウトウトしながらデータ扱ったら駄目ですね
開発計画の会議が終わって、俺は住民たちへの挨拶もそこそこに一人で建設計画がある港町ナトリへと戻る事にしたのだった。
俺は駿馬の如く駆けていきヴィンターリアとナトリの丁度中間地点に差し掛かろうとしていた。
「おぉ〜い!」
二十人程の見知った兵士たちが道端で俺に手を振っている。
「何かあったのか? にしては緊張感が無いな」
俺は速度を落として兵士たちへと歩み寄る。
「お疲れ様。こんな所でどうした?」
「えっ? 別に何かあった訳じゃないのですが土煙をあげてマサル様が走ってきていたので」
「悪かったな騒がせて……あと様はやめてくれ」
いくら舗装された道を走っていても周囲は草原地帯だったり、土や砂だらけなので多少の砂が舞うのは仕方ない。
「で、こんな所で何をしてるんだ?」
「実はニトリが通商を始める前に、ヴィンターリアとナトリ間の輸送の安全確保についての議題が上りまして中間地点に物見矢倉を建てようという話になりまして、その視察に工兵部隊で来てたんです」
本来なら大工が作れれば一番良いのだろうが、街の外では魔物が出現するので簡易的なものなら工兵が作る場合があるのだ。
「物見矢倉か……確かに盗賊とか出たら面倒だな」
「そうなんですよ、ヴィンターリアで盗賊する馬鹿がいるかは疑問ですけど」
「何処にでもそういう輩は出没するものさ、例え仕事が余っていても普通に暮らす方が楽だとしてもな」
理屈だけで通用しないのも感情だけでもないのもそういう全ての清濁合わせてが人なのである。
「で、何時から施工するんだ?」
「まだ先の話ですよ、上司に細かい計画を報告して許可が出て、予算を取って貰って資材を運んでからなので」
通常の手順だと分かっていても気の長い話である。
「俺が許可する。一筆書くから明日から施工開始だ」
「えっ?」
「明日の朝に工兵部隊で来い。準備はしておいてやるから」
「……本気みたいですね。工期はどれくらいでしょう?」
「長くみて一週間だな」
「許可が出なかったら?」
「最悪、別に許可も予算も要らないぞ? 何なら誰も来なかったら俺一人でするし」
俺の本気を感じとり仕方なくと言った様子で了解と敬礼をして兵士たちは帰っていくのだった。
……よし、準備しとくかな……
……土台は一枚物で丈夫な岩盤が良いな……
……そうだ! アーチで道を跨ぐか!……
……アーチを組むには木型が要るな……
……アーチがちゃんと組めるか試してみよう……
……もう一段だけ煉瓦を積んでみるか?……
……もう一段だけ、本当にもう一段だけ……
こうしている内にあっという間に朝になり工兵部隊が到着したのだった。
「何でこうなってんですかぁぁぁあぁぁぁっ!」
もう少しだけもう少しだけと積み上げた煉瓦はいつの間にやら街道を跨いで高さ5.5メートルを越えるアーチ橋となっていた。
「いやぁ、夢中になっちゃって気がついたらこんな感じになっていたんだ」
馬車の通るアーチの内側は美しいアーチを描き、日本の車の高さ3.8メートル制限を参考に4メートル迄の高さであれば接触する事の無いように作られている。
「何で物見矢倉のハズが地上に橋が出来てるんですか!?」
「せっかくだから積み荷の確認なんかも出来る様に真上から馬車が除けるようにしてみたんだ」
要は簡易的な検問所も兼ねようとしているのだ 。
「まだ上の方は煉瓦を積み上げてないから、皆でそこに山になっている煉瓦から使えそうな物を分別してくれ。元々廃材だから使えない物も多いんだ」
道端に積み上げているのはシュテンツェンの王都を解体した時に回収した煉瓦だ。一応規格が統一された物だけを出している。
「アーチを支えてる土台はもう外せるけど念のため全部の煉瓦を積み上げてから除去しよう」
「まさか、これ全部中まで煉瓦なんですか!?」
「それこそまさかだよ、中は強度も考えて石柱を入れてるよ」
というか土台になっている岩盤と一体化させているので間違っても馬車が突っ込んでも地震が起きても折れる事は無いと思われる。攻城兵器でも持ってきたらもしかしたらという強度だ。
「上に登れば分かるけど、ヴィンターリアもナトリも両方が何とか見える高さになっているから監視の意味合いではとても有効なハズだ」
この惑星の大きさは地球より気持ち大きいけど誤差くらいにしか違わない。よって地平線や水平線が見えるのは約4.5km先なのだ。高い位置から見ると更に遠くが見える事を考慮するとヴィンターリアとナトリの道中約10kmはほぼ監視下に置けると考えても良いのである。
「本当にあなたは……噂に違わず規格外ですね」
「誉めても何も出ないぞ? それより作業さっさと終わらせるぞ!」
「誉めてませんから……まぁ、私がいっても仕方ないので大人しく作業しましょうか」
こうして一夜にして砦?とも思える重厚なアーチ橋が地上に生えたのだった。
「マサルさん……これってどうやって上に上がるんです?」
「あっ!」
慌てて昇降用の階段を増設したのは言うまでも無い。
書き直ししてるけど自分の書いたものが思い出せない……歳かな?( ̄▽ ̄;)




