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6.16

「いつの間にか戦の相手が壊滅してこの一帯の鬼人族の頭になれと言われてもな……」

 私の知らぬ場所で戦もせずに心を折ったとか意味が分からない……ましてや民主主義を唱える頭でっかちを壊滅させたのは新兵ほどの歳の少年と非戦闘員の少女たちだという。

「そんなのを気にしていたらマサルの相手は疲れてしまうぞ」

 そういうランスロットはあたかも当然のことのように今回の件を受け入れている。

「まさか本当にいつもこんなに出鱈目な真似をしているのか?」

「まさか……たまにマサルが暴走するだけだ。それに乗っかってっていうのも変な話だが、皆も歯止めが効かないことがあるのは否めないけどな」

「暴走と言ってもマサル様は規格外とはいえ街を造り変えていたという話しか聞いてないぞ。何でもかんでも神マサル様のせいにしてはいけないぞ」

「確かに全部マサルのせいな訳じゃないけど、むしろ今回は他が暴走したと言えなくもないが……」

 煮え切らない態度が気に入らないが、それこそ私と一緒にいたランスロットを責めても仕方ないだろう。

「ランスロットさん、マサルさんから支援物資のポンプを預かっています。アデリナさんが滞在するので急いで受け入れの準備をして下さい」

 そんな報告をしてきた者をみると腰に独特な剣を差した少年と言える歳の子供がいた。

「君はいったい? 君もマサル様の部下なのか?」

「マサルさんの部下って訳じゃあないですけど同郷の(よしみ)で色々と助けて貰っています」

 神マサルの同郷? 元々人間だとは聞いていたが本当であったか……。

「その腰にある武器を少し見せてくれないか?」

「構いませんよ、マサルさんが打った刀です」

 少年の腰の剣を刀と呼び鞘ごと私に差し出した。

「純粋に切る為だけの武器なので気を付けて下さいね」

 この少年は何を言っているのだろう? 剣は切る武器に決まっているじゃないか?

「鞘から抜いてみても良いか?」

 少年が頷くのを確認してからゆっくりと鞘から剣を引き抜く……一見しただけでは分からなかったが鞘にも地味で飾りっ気はないが丁寧に滑り止めの溝が彫ってある。

「これが剣なのか?」

 それは驚くほどに華奢な刀身で私の持つ剣と比べると半分ほどしか厚みがない。

「これで本当に獲物が切れるのか?」

 すぐにでも折れてしまいそうな細い刀身は芸術品のように磨き上げられ太陽の光を反射する。

「試し切りをしても良いかな?」

「良いですけど、扱いが難しいので手本を一度見せますね」

 そう言ってどこからか人の胴ほどの石の柱を地面に突き立てる。

「……私を相手に手本だと? 戦士で将である私に手本?」

「少しだけ離れていて下さいね、危ないですから」

 そう微笑む少年は私から刀を受け取り柱に向き直る。

「行きます!」

 小さく呟いたその次の瞬間、いつ抜いたか分からない刀身が閃くと同時に石柱が斜めに切断され地面に落ちる。

「いつ剣を抜いた?」

「あれ? 見逃しちゃいました? もう一度やりますね」

 散歩しているような自然体で振られた刀……今度はなんとか目視することに成功する。

「私の知っている剣術と比べると剣速が比較にならないくらい早いな」

「一撃で相手を倒すための剣術ですからね。だからこんなに細い刀身で防御に向かない作りなんですよ」

「じゃあ防御はどうするんだ?」

「避けるんですよ。当たらなければ刀身が痛まないじゃないですか」

 どんな原理なんだ……避けられないから受けるのではないのか?

「困惑しているな、深く考えてもオレや焔には出来ないから無駄だぞ」

 そう言い切るのはランスロットだ。彼も国では英雄と呼ばれる強者だが、その彼が笑って出来ないとは……謎は深まるばかりである。

「そもそもオレや焔は強く打たれれば更に強く打てば良いっていうパワーファイターだ。その為には地面から離れず力を溜める必要がある。しかしミコトの刀を使う戦いの場合、基本的に常に動いて相手に狙いを絞らせないことが最低条件で敵の小さな隙に必殺の一撃を入れる暗殺者のような動きが求められるんだ」

 暗殺者……それほどの技術をもうこの歳で習得しているのかこの少年は……。

「少年……君の名は?」

「こいつはミコト、これでもヴィンターリアの次期将軍を期待されているホープだ」

「いつから次期将軍なんて話になってるんですか⁉」

「因みにこいつの役職は船長……ヴィンターリアでは師団長。俺と同じ階級だぜ」

「ちょっと! お飾りの役職を広めないで下さいよランスロットさん」

 ミコト少年はそう言うが大陸間航行を可能な船を完全なお飾りの人間に誰が預けるだろうか? きっと将来を有望視されているのは間違いないだろう。

「そんな事より試し切りですよね! ほら準備出来ましたよ」

 とミコト少年が指したのは大人の腕くらいの太さの丸太である……ミコト少年が見事に切って見せたのは腰くらいの太さの石柱で見劣りは半端ではない。

「ミコト少年? もう石柱は無いのか?」

 そう問うとミコト少年は凄く困った顔をして助けを求めるようにランスロットを見る。

「まぁ焔、刀は扱いの難しい武器だ。ミコトが丸太でやってみろというなら意味があるのだろう? そもそもの話、剣であれだけの石柱を切る事が難しいんだ。オレの剣でも焔の剣でも石柱を砕く事なら出来ても切れないだろ?」

 そう言われて初めて気が付いた……何気なく当たり前のようにミコト少年がやって見せたから違和感を見逃していたが、石柱の断面は加工されたかのようにまっ平に切られている。

「分かった……私が傲慢だったようだ……今回は勉強させて貰おう。ミコト少年教えて貰えるか?」

「分かりました! 刀を扱う時の一番の注意点は刀身が対象に触れたら素早く引くように振らないと駄目で……」

 つたないながらも必死に丁寧に教えてくれるミコト少年、ランスロットはそれを成長した我が子のように見ている。

「ではやってみましょうか。上手くいくと良いですね」

 と言っている割にはミコト少年の立ち位置はとても遠い……。

「行くぞ! ていやぁぁ!」

 と全力で振るった刀の刃は丸太に斜めに入り妙な力が加わって折れてしまう……その折れた刀身は私の頬をかすめて後方に飛んでいく。

「うぎゃあ!」

 慌てて振り向くと私の後方で見ていた鬼人族の股の間を通りズボンと壁を縫い付けていた。

「やっぱり折れちゃいましたね……」

 と物悲しそうに刀を見るミコト少年……やっぱりというからにはミコト少年には結果が見えていたのだろう。

「しっかりと刃が立ってなかったですし、引きながら切るのは難しいですから……」

「すまない、大切な武器を壊してしまったな」

 武人にとって武器は大切な相棒だ、それを試し切りなんかで折ってしまったのだ……きっとミコト少年も悲しんでいるだろう。

「ミコト! ラッキーだったなさっきの刀はマサルが試し打ちで打ったやつだろう? 今のマサルが打ったら凄い刀が出来るんじゃないのか?」

「やっぱりそう思います? いやぁ、折れた理由も間違いなく怒られるものじゃないですし堂々と新しい物を作って貰えますよ」

 こいつら確信犯だ……私を出汁にして新しい刀が欲しかったんだな……。

「ち……因みにミコト少年は丸太が切れるまでにどれくらいかかった?」

「えっ……アダマンタイトの刀を使ったら二か月くらいですかね?」

「折れた刀の数は?」

「鉄のが三十本くらいとミスリルとの合金のが十五本くらいですかね?」

 ……素人の使える武器じゃあないじゃないか。

「ついでに焔の武器も打ち直して貰えよ。ミコト一緒に頼んで貰えるか?」

「了解です。予備も含めて用意して貰いますね」

 と安請け合いするミコト少年……神がそんなに簡単に武器を授けてくれるのか?

「じゃあ、数日後にまた来ますね。あっ、焔さん今使ってる武器を預かって良いですか? 使用武器やバランスが分からないとマサルさんも困るでしょうから」

 ミコト少年の刀を折ってしまった事も踏まえて嫌だとは言いにくい。

「代わりに僕の予備の刀を置いていくので使って下さい。ミスリルと鉄の合金なのでさっきのより強度は弱いですけどよく切れると思いますよ」

 ここまでされたら引くに引けない……大人しく剣を差しだし預ける。

「ではまた来ますね、ランスロットさんはポンプの設置ちゃんとしといて下さいね」

 そう言って元気に駆けていくミコト少年……後ろには女の子が二人楽しそうについていく。

「ミコト少年……彼はモテるんだな……」

「あぁ、どちらもヴィンターリア王国の未来の要石なんて言われてる才女だ」

「二人ともミコト少年の事が好きなのか?」

「というより本人たちも周囲も皆がそれを望んでいるから結婚も遠い話じゃないだろうな」

「戦いに明け暮れて馬鹿やって婚期を逃した私とは大違いだな……」

「それを言うなよ。オレも同じだからさ……やる事やって一杯やるとしようじゃないか」

 それからランスロットと共に街中の井戸にポンプを設置して館に新設された大きな風呂で男二人で酒を飲みながら親交を深めるのであった。



 それから四日、ヴィンターリア王国女王アデリナに国を興すよう言われたり政務指導を受けたりしながら過ごしているとミコト少年が約束通りにやってきてこう言った。

「焔さん武器をお返しします。研ぎが甘いから勝手とは思うが研磨しておいたそうです」

「それで新しい私の剣は⁉ 打って貰えたのか?」

「えぇ、とても素晴らしい一本を打って頂きました」

 なんだかミコト少年の表情や言葉遣いに違和感を感じる……。

「それで? その剣を見せて貰えるか?」

「こちらがご希望の新しい剣になります。アダマンタイトとミスリルをふんだんに使用した特別な一振りになっております」

 そう言って取り出されたのは見ただけで存在感を感じる自分の愛剣そっくりの一振り。

「手に取って見てみて良いか?」

「残念ながら今ここで焔さんにこの剣をお渡しする事は出来ないのです」

 といかにも残念そうに言ってはいるがミコト少年の瞳の中は笑っている……はめられたと気が付いた時にはどこの世界でも遅いと相場は決まっているもので……。

「建国に躊躇っていらっしゃるみたいですね? しかし僕はこの剣を焔さんへの建国記念の品として預かっているのです。お渡ししたいのは山々なのですが……」

「くっ……この卑怯者め……」

 残念なことに既に私の心は神が私の為だけに打った剣に奪われている。

「どうですか? 建国してみませんか?」

「……神がそのような事を仰る訳が……」

「その神であるマサルさんが焔さんが国を興すなら認めると仰ったのですよ?」

 アデリナ女王からもそう聞いているし、部下からも建国を求める声は多く来ている……だが私は一介の武人に過ぎないではないか……。

「私はただの戦いが好きなだけの……アデリナさんも貴族ではあったみたいですが普通の人だったらしいですよ? ランスロットさんの姪ただそれだけだったようです」

 逃げ場を的確に潰すミコト少年……くそっ、頭の回転も悪くないとは……。

「大丈夫ですよ、部下の人の支持は受けているんでしょう? 支持している人たちにもちゃんと自分を推した責任を取って貰って仕事と役職を割り振れば焔さんが全部抱え込む必要ないじゃないですか」

 黒い笑顔を携えて私をそそのかすミコト少年……その手には私の為に神によって打たれた剣が太陽の光を反射する……。

「参りました……国でも何でも作るから剣を下さい……」

 気が付くと私はそんな風に建国の表明をしていたのだった。



「焔。貴公を鬼ヶ島の国王に任命する」

「拝命致します」

 マサル神は逃げ道を許してくれないようで翌日には主神ビクティニアス様とアイラセフィラ様を連れて来て戴冠式が行われ正式に国が発足してしまった。

「建国のオマケに執務室と部下たちが集まって仕事のできる場所を建物ごと用意しといてやるから頑張れよ」

 と軽いノリで街中に巨大な建造物と一夜で築くのはやめて貰いたい……完全に知らない人にとってはホラーである。

「軍の宿舎や訓練場までぬかりなく用意されているのが恐ろしいな……どこでこんなに資材を集めて来たんだ?」

「焔様っ……大変です! 北の旧鉱山が消えました」

「確かそこは銀山だったが採掘量が落ちて閉山していたよな?」

「そうです、しかし閉山していたとはいえ我が国の財産ですよ」

 閉山した銀山になんの価値があって財産だというのだ? 管理には人手も金もいるのだぞ。

「君、そういうのを玉石混交というのだよ。何でもかんでもあれば良いという物ではない、どうせ磨くならただの石ころではなく価値のある玉を磨きなさい。ただその山には心当たりがあるのでこちらで話をしておこう」

 そう言って部下を追い出すと代わりにミコト少年を呼ぶ。

「銀鉱山が消えたと部下が報告してきたが心当たりはないかね?」

「そりゃあ山が消えたのならマサルさんでしょう? 他に可能性が?」

 何か問題でもあったのかと言いたげにミコト少年は首を傾げている……なるほどミコト少年にとって……いやヴィンターリア王国にとってはよくある事なのだろう。

「一応なのだが事情を聴きたいのでマサル様にその旨を伝えて貰えるか?」

 本当はどうでもいいのだが仕方ないだろう。

「分かりました。マサルさんに出頭するよう伝えておきます」

 出頭って……神に対して扱いが酷い気もするが来てくれるなら良しとしようと自分に言い聞かせて心の負担を減らすのであった。



「焔、なんか呼んだか?」

 軽い感じで執務室に入って来たマサル様。相変わらずフットワークが軽い。

「先日、北の廃鉱になった銀鉱山が消えたと報告が入りました」

「あぁ、あの山ね? 邪魔だったから石材にしちゃったわ」

 軽いのはフットワークだけにして欲しかった……邪魔だから山を石材にってどういう発想なんだ?

「詳しく言うとだな、あの山の先にはかなり広い森があってその中に貴重な薬草や珍しい生き物がいたんだ。だから行きやすいように邪魔な山をだな……」

「いや、もう分かりました。もう結構ですけど、どんな物があったのかいたのかは報告下さい」

「ほいっ、もう報告書は出来てるぞ。あと山を削って入手した石材と手に入った銀とミスリルは倉庫に入れとけば良いか? その倉庫も今から建てるんだけどな」

「ミスリル⁉ ミスリルまでありましたか……あははっ……」

 気が付くと建国したばかりの国の財政が潤っていた……特にマサル様は取り分などは要らないらしく、たまに森に行って食材の調達がしたいと望まれただけだった。



 目が回るほどの忙しさに時間を忘れ政務に身を粉にしていたのだが、やはり性分からして長くは続かず私は猛烈に剣が振るいたくて仕方なくなっていた。

「ミコト少年、少し付き合え。手合わせをしよう」

 とミコト少年を訓練場に引っ張っていったのは良いがあっさりと実剣を使った訓練は断られてしまう。

「すいませんが木剣とかの訓練なら付き合いますが実剣の打ち合いはお断りします。必要最低限でしか刃物を人に向けたくないので……」

 あまりにもまとも過ぎる軍人らしからぬ発言に私は困惑してしまう。

「やめておけ焔、ミコトと戦うと殺し合いになるぞ? 彼はまだ手加減が出来る程完成されてないからな。嫌だろ? 間違いであの刀に切られるのは」

「嫌とかそういう問題じゃない。大事故じゃないか」

「マサルの教えでもあるんだよ。守りたいものがあるなら躊躇うな、そんな鈍さは似つかわしくない武器だってね」

 あの鋭い太刀筋を見せて貰ったからこそ納得出来る話だ……あれは躊躇いの中では決して出せないものなのだろう。

「代わりと言ってはなんだけどオレが相手になろう。言っておくがミコトと違ってオレは慣れてるから遠慮なく出来るぜ」

そのランスロットの顔を見れば分かる、きっと彼も戦いを欲してウズウズしていたのだ。

そう……今の私のように……。

「……何が手加減だよ……当たったら一撃死の会心の一撃のオンパレードじゃないか」

 そうミコト少年が呆れるのも仕方が無い事だった、お互いに手加減があったのは数分であっという間に本気モードになって歯を食いしばり鎬を削っている。

「うおぉぅりゃぁぁあぁっぁぁぁぁぁっ!」

「ぬおぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉ!」

 吼えて一歩も引かない私とランスロット……打ち合う剣と剣が火花を散らし甲高い金属音を周囲に響き渡らせる。

「おらぁあ! てめぇバテて来たんじゃねぇだろうな!」

「貴様こそちゃんと踏ん張ってるのか温いぞ!」

 互いを罵倒しながら泥まみれで一心不乱に剣を振るう二人……それは白熱しすぎていて誰の目にも行き過ぎているのは明白だった。

 しかし自分たちでこの戦いを止める事も出来ずにどんどん危険な領域に入っていく。

「「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉ!」」

 横から突如乱入した何者かの殺気に私とランスロットは必死になって地面に転がり回避行動をとる。

 

ドォンッ ‼


 地面は爆発で吹き飛び抉れている。

「何が起きたんだ?」

「おいっ! メイにリュリュ! オレたちを殺す気か!」

 私が状況を理解できない中でランスロットはミコトの横に立つ少女たちに抗議を入れている。

「加減がどうのって偉そうに言ってた癖に我を忘れて殺し合いしてた誰かさんがそれを言いますか?」

「メイちゃんとリュリュはちゃんと手加減したのです。当たっても死にはしませんよ……お二人なら……きっと」

 いやいや死んでたから⁉

「って……もしかしてミコトを半人前扱いしたのを怒ってやがるのか⁉」

「なんの事でしょう? 分かるリュリュちゃん?」

「さぁ、手加減が出来る程完成されてないとか知りませんし?」

 最初から聞いてたんじゃないか! っていうか何処にいた⁉

「こら、メイもリュリュもやり過ぎだよ。訓練場の地面に穴が出来てるじゃないか」

 問題はそこじゃないぞミコト少年!

「でも二人を止めてくれてありがとうね、助かったよ」

 あれ? 誉めちゃうの?

「くそっ……駄目だありゃ。まともに相手するだけ損だ」

「さっきのは魔法か? とんでもない威力だったぞ」

「あれもマサルの英才教育ってやつだ。現象自体の原理を細かく把握する事によって事象を効率的に起こすとか言ってた」

「簡単に言うと?」

「マサルとアイラセフィラ様が教えたとんでもない魔法だ!」

 二柱の神の直伝⁉ あの少女二人は非戦闘員じゃなかったのか⁉

「ヴィンターリア王国は思ってた以上に革新的な場所みたいだな」

「ハッキリ言っても良いんだぞ? 変わっているとかおかしいとか……オレもそう思っているから」

 ランスロットの言葉に内心では頷きつつも私はもう深く関わりたくないと心から思っていたのだった。

「私はもう戦いから離れることが出来ないと思ってたけど、こいつ等を見てるとまだ普通に戻れる気がしてならないよ」

 この後、私は鬼人族の国鬼ヶ島を長く平和に統治するのだった。




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