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6.11

わたしはカレン。主神ビクティニアスと創造神の眷属です。

「お父様とお母様はお父様の出身の世界の地球に新婚旅行というものにお出かけしています」

 残念ながらわたしはお留守案をしているのですが、この世界の神様は遠慮とか手加減が無く仕事を山ほど積み上げるのです。

「じゃあカレンちゃん次はこれとこれとこれお願いね?」

「アイラお姉様……今お願いされてた仕事が終わったのですが……」

「ちゃんと見てるわよ? だから次のお仕事をお願いしたのよ」

「これ本当にお父様がやっているお仕事ですか? なんだかやってもやっても終わらないんですが」

 もう私なんか四日も寝ていない……神の眷属なので本来は睡眠が無くても困らないのだが、少しだけ憂鬱になってしまうのは仕方ないだろう。

「姉様もマサルも仕事は気がついたら終わらせているわよ? 多忙な筈なのに時間の隙間を見つけて終わらせているわよ」

「そうなんですよね、誰にも文句を言わせないくらいにお父様もお母様もお仕事をしているんですよね」

「そう言えばもう少ししたら個々の仕事量はかなり減る事になると思うわよ」

 どういう事だろう? 神々の仕事が減るというのはなかなか穏やかではないように思う。

「マサルが地球から神様を連れてくるらしいのよ。お仕事欲も高いみたいだし期待できるわ」

「えっ? 神様って他の世界に連れて来ていいんですか?」

「当然良くないわよ? でも今回は地球で役目が無くなった神様を再就職みたいな感じで連れてくるらしいのよ……何でもフィナちゃんを前例として救済しようってなったみたい」

「お父様が適当にそれらしい事を言って強行したわけじゃないんですね?」

 わたしは見逃しません、アイラお姉様が一瞬固まったのを……やっぱりなにかやらかしてるんですんね。

「まぁ、何にもやらかさないお父様はつまらないですよね」



 それから数日が経ちアイラお姉様が地球へと神々の受け入れに立ち会う為にお出かけになった日の事です。

「世界中に星が降っています……何が起きているんですか⁉」

 まさかお母様もお父様もアイラお姉様もいない時にこのような天変地異が起きるとは……。

「昼間なのにこんなにはっきり流星群が見えるのはおかしいです、急いでフィナ様に相談に行かないと!」

 急いでフィナ様の所に行くとフィナ様は凄く落ち着いてこういったのです。

「あれは星じゃないわ、微かにマサルの気配がするわ」

 お父様の気配? わたしには感じられません、とても悔しいです。

「フィナ様には何が起きているか分かりますか?」

「マサルが何をしでかしているか何て分かる訳ないわよ」

 そんな風にフィナ様と話しているとアイラお姉様が疲れた様子で帰ってきて、空を見て絶叫し始めた。

「ちょっと何が起きてるの⁉ アルステイティアが安定してきている?」

 世界が安定してきてるとか本当に意味が分からないんですが⁉

「あんなに神様を連れて来るから! 大丈夫なの⁉ 本当に大丈夫なんでしょうね⁉」

 あんなに神様を? なんか非常に怖いワードが聞こえてきた気がします。

「アイラお姉様……お父様はどれほどの神々をお連れになったのですか?」

「五千三百よ」

「「五千三百⁉」」

 フィナ様も目を丸くしておられます。

「その中には今でこそ地球で知られて無いですが強力な水神や闘神もいるらしいわ」

「もう驚くのが馬鹿になるみたいな数字ね」

「お父様恐るべしですわ……それにしても遅いですね? お父様もお母様もアイラお姉様と一緒に帰って来たのでは?」

「なんだかアルステイティアに入るのに苦労してるようよ、あれだけの神を連れて帰ると流石に異物と判断させられるみたいね」

「じゃあ、この空の流星群は?」

「多分、世界を渡るときにマサルが引っかかっている影響ね。世界が安定してきているという事は神力を相当量使っているのでしょうけど」

 お父様はこんなにも神力を使って大丈夫なのでしょうか? わたしならとっくに枯渇しているはずです。

「帰ってきたようね。お姉様もマサルもお帰りなさいませ」

「おかえり」

「お父様、お母様お帰りなさい」

 挨拶をするとお父様もお母様もそっと頭を撫でてくれる……わたしの一番好きな瞬間だ。

「悪いんだけど急いで新しく移住してきた神々のお披露目を始める。方法は数か月に渡って神々の大行列が世界中で見られるだろう。俺とビクティニアスで結婚式のように概要を世界中に伝えるからそのつもりでな」

「早すぎませんか?」

「民に認知されないと神としての仕事が出来ないから仕方ないよ」

「さて、やらかしますかな!」

 お父様は深夜に鬼や妖怪が徘徊する事を百鬼夜行というのだと教えてくれましたが阿鼻叫喚の未来しか見えてこないのはわたしだけなんでしょうか?


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[気になる点]  残念ながらわたしはお留守案をしているのですが、この世界の神様は遠慮とか手加減が無く仕事を山ほど積み上げるのです。   お留守案 ⇒ お留守番
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