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12 本気になられると尚更怖い④

 翌朝、ミコトとその仲間たちによって15〜25歳の青年たちはマサルの前に集まり朝礼を行っていた。


「という訳でミコトをリーダーとして君たちヴィンターリアの若者たちが、外で仕事もせず助けて貰うのを待っているどうしようもない大人たちを指揮して働かせて貰う事になった」


 とても面倒そうな表情が蔓延するがそれは仕方ない、これから歳上相手に仕事を教えろと言われているのだから。


「君たちにも仕事がある中大変申し訳なく思うが、事は急を要する……働かない者を食わせていく程に我々も富んでいないのだ」


 ヴィンターリアでは皆が働き生活を共にする。特に食事関係では全員が同じ時間帯に全員分の食事を作り分け合うのだ。

 獣人が多いこの国は国民全体を大きな群れとして扱い、共に助け合うのだが野生の動物の群れと同様に群れを乱したり足を引っ張る者は淘汰されていく……これも自然な流れなのである。


「彼らも選ばなければならない! 我々の仲間となるかどうかを! 共に歩むというなら助けてやって欲しい。君たちの方がヴィンターリアでは先輩なのだから!」


 そういうと面倒そうな空気が仕方ないという空気に徐々に変わっていく。群れの序列では外で燻っている男たちより、若い青年たちを上だと言ったからだ。

 どんな社会にも人には序列があり、一般人に人の社会は年功序列である事が多い。しかしヴィンターリアでは歳上というだけで誰も敬ってくれない、それは群れへの貢献度が序列の最重要事項だからである……余所者はどんなに能力があっても最初は貢献は零だから一番下の序列となる。


「難民の彼らにも仲間になるチャンスを与えてやって欲しい! 国の為に働くチャンスを!」


「「「「「「おう!」」」」」」


 しかし受け入れていくと決めたら面倒見の良いのも獣人が多いヴィンターリアの特徴だ。群れのトップにいるマサルに面倒見てやれと言われただけでなく、自分たちの下に一時的にでも部下が出来るのである……この時、青年たちは揃って『悪くない』と思ったのも当然である。


「今回は特例としてミコトを皆のリーダーとするがひょっ子リーダーで頼りない所も多々あるだろう。今回は俺からの課題という事でリーダー職を経験させる事にしたので力不足は重々承知だが協力してやって欲しい」


「「「「「「はい!」」」」」」


 俺の演説に皆の揃った返事が響くなか、一人だけ緊張に震えていた。


「じゃあ、リーダーのミコトから一言です!」


「えっ!? ボクには何が出来るかわからないですけど、マサルさんと同郷で皆さんとは違う物を見て生きてきました。なので違う視点から物をもっと見れるんじゃないかと思うので、期待に答えられるように頑張りたいです」

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