脳機能局在は、はたして人間が機械より優秀であることの証明なのか
脳機能局在とは、脳が部分ごとに違う役割を持っていることであるが、人間はいろいろなことが出来るので、機械よりも優秀であるという語られ方をすることが多い。最近の人工知能の発展は周知の事実だが、機械は会話、記憶、画像認識など特定の分野には強いが、分野間の連合が出来ない、あるいは分野によっては手付かずであることを挙げて、人間の方が優秀であるという論調が聞かれる。果たしてそれは事実なのか考えてみたい。
人工知能が特定の分野で人間を超えた例として、囲碁、将棋、チェスのソフトが人間の名人級を撃破したニュースや、人間のクイズ王にコンピューターが勝ったニュース(IBM WatsonによるJeopardy!優勝)などがある。このような事例は今後も増加することは間違いない。しかし、その事実を受け止める論調で、人間はマルチタスクなので特定の分野で負けるのは仕方ないとか、痛いことではないという意見は多い。しかし、発想を逆転して考えてみよう。人間は限られた脳の容量で、会話、記憶、運動などあらゆることを処理しなければならず、脳機能局在は外的に強要されている結果なのではないかと。この発想は自分でも考えながら少し悲しくなったが、人間の脳が拡張できないのに対し、コンピューターは拡張出来ることは事実である。
「やりすぎ都市伝説」の関尭夫さんが拡張現実(AR)によるパラレルワールドや、脳内マイクロチップの話などをしていますが、知識のクラウド化による脳領域の開放という未来が本当にやってくる日は決して非現実ではないと考えてしまう。