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現実は小説より奇なり〜 妹パンツでの目覚め


現実は小説より奇なり


誰かがそう言った。そして今俺達は、それを実感している。



「「異世界だ……。」」



それが俺と妹の……異世界での最初の言葉だった。


俺は、過去に思いを馳せる。


俺がこうなった三十分前の出来事を……





俺は常日頃、普通じゃない実感を求めている。


他人にはできない実感が欲しいし、普通じゃない高校生になりたかった。


つまり俺はスーパー高校生とかになりたかったのだ。


でも運命は残酷で、俺は凡人の中でも超凡人だった。


何を頑張っても成績は中、やることは平凡。


オマケに名前はサトウコウジ。なんて平凡なんだろう。


俺は普通じゃない道を歩むため、高校に進学してからは毎日引きこもっている。


家族は皆悲しんだが、それが唯一俺を平凡から弾き出してくれたキッカケだ。


しかし運命は残酷で、それからも平凡生活が続く。


毎日ネトゲをし、ただ食って寝る。


同年代ならまだしも、やってる事はお年寄りとほとんど変わらない。


もっと言えば二十歳のヒキニートは俺の上位互換だ。


世間から見れば下位互換だろうけど。


そんな俺が久々に外出したのがすべての始まり。



俺は妹の理不尽な要望の元、一人二つしか買えない限定グッズを買いに付き合わされた。


昔はお兄ちゃんお兄ちゃんって可愛く懐いてくれてた妹は、いつの間にかダメ兄と呼ぶほど落ちぶれていた。(原因は俺の引きこもりだが)


そんな妹との買い物を済ませ、早く帰ろうと意気込んでいた妹と俺の帰り道、橋の上で事件は起きた。



橋が崩れ落ちたのだ。


そう悟った俺は瞬時に妹の手を掴むが時既に遅く、二人共橋から落下していった。



目覚めた時、目の前は真っ暗だった。


しかし、謎の柔らかい感触があった。


俺は……妹のパンツの元で目が覚めた……。


そしてそこは、異世界だった。






「だから悪かったって愛弓(あゆみ)。てか不可抗力なんだからしょうがないだろ!?」



「いいや。妹のパンツに顔を押し付けていたなんて……変態だよ!このっダメ兄!」



愛弓は普段優しい性格だが一度怒ると貢ぎ続けなければ機嫌を直さない厄介な奴だ。


そういう事を考えれば案外、俺は普通じゃなかったのかもしれない。


まあ異世界に落ちた時点で俺は、この世で最も普通じゃなくなったけどネ。




「どうすんのよダメ兄?私、この世界のお金とか持ってないよ?」


「と、とりあえず情報を集めよう?俺達来たばっかで何も持ってないし。」



愛弓はそうね、とだけ言って踵を返す。まだ怒っている節はあるだろうけど事が事だから今はオチオチ怒ってばっかでもいられないのだろう。



「どこ行くんだ?」



「女の子にそう行こと聞かない。」



トイレか。でもしょうがないだろ?異世界だから心配だし。



あーあ、この先不安過ぎてちょっと泣きたくなってきた。



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