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ゼロサム  作者: またたび
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王都から馬車で3時間ほどの村。。

そんな村から今年16歳になる子供が3人馬車に乗って王都を目指いしていた。


「今日から私たちも成人の仲間入りだね」

「…うん」

「相変わらず元気ないなカイトは。そんなんじゃ憧れの12騎士団に入れないぞ!!

騎士団に入って孤児院のみんなを楽にしてあげるんだろ!!」



赤髪の元気な女の子はフレア。

元気がなくひょろっとした黒髪の男の子はカイト。

3人の中でリーダー的存在の金髪の男の子はマックス。


16歳になると成人の証として「神霊の儀」を受けることが許される。

神霊の儀を受けるとで「スキル」を取得することができ、

得られたスキルによって今後の人生が変わると言われているほど重要なものとなっている。


ちなみにこの国で一番人気なのは「12騎士団」に入隊することである。

王国直下の組織であり、12騎士団に入隊すれば一生安泰と言われるほど給料が高い。

入隊試験の倍率が尋常じゃないことで有名であり、一般に受けて入隊することはほとんど不可能と言われている。


っが、特別なスキルを持っていたら話は変わってくる。

「勇者」「聖女」「賢者」などのスキルを有する者は無条件で「訓練生」として入隊できるのである。



「…大丈夫かな」

「もう。カイトは本当に心配性だなぁ。大丈夫だよ。12騎士団に入れなかったら3人で冒険者にでもなればいいんだから」

「フレアの魔法に俺の剣術、カイトの知識があれば俺たちに敵なんていないさ」


心配する僕にフレアとマックスは励ましの言葉をかけてくれる。

孤児院からずっと3人一緒で頑張ってきたんだ。

3人一緒ならきっと乗り越えることができる。


「あっ!王都が見えてきたよ!!おっきー街だねェ!!」



---------------------------------------------------


「ここが神霊の儀を行っている神殿か・・・」

マックスが神殿の前で神殿を見上げている。


僕とフレアも口を大きく開けて神殿をい上げている。


「…すごいたくさん人がならんでるね・・」

「本当だぁ。みんな同い年くらいだからあの列に私たちも並ぼ」


僕たち3人は最後尾に並んで自分たちの番が来るのを待った。


3時間ほどたったところでやっと僕たちの番だ。


「7人の天使と神の像が部屋の中にあります。膝をつき目をつぶって神に祈りを捧げるのです。

さすれば神の力が汝に与えられることでしょう」

入口の前でシスターに説明を受けた僕たちは3人一緒に神の像に祈りを捧げた。




「大いなる神よ。僕にフレアとマックス、それに孤児院を守る力をください」



目を瞑っていたいるのに急に目の前が真っ白になって声が聞こえてきた。


『今年はスキルの取得者が多いのぉ~。もう面倒だから全員に勇者とか聖女上げていいんじゃね?』

『神様!!!そんなのダメに決まってるでしょうが!!この世界壊れちゃいますよ!!』

『ミカエルうるさいですよ。神様も自分の立場をお考えください』


なんだコレ。

神様?本当に神様なのか?

っていうかなんで声が聞こえるんだ?スキルをもらいにきただけなのに・・・・。

ここはどこなんだ?


『おや?人間の子の精神が私たちの世界とリンクしているみたいですね。神様どうされますか?』


『なに?なんでそんなことが…。……コホンっ。儂は神じゃ。お主はなぜここにおる?』


本当に神様なんですか?

私は神霊の儀を受けている最中でスキルを頂きに来ました。


『うむ。まぎれもなく儂が神じゃ。そうかそうかお主はスキルをもらいに来たのじゃな?どんなスキルがほしいんじゃ?ニヤニヤ』


(なんでニヤニヤしてるんだ?)

賢者のスキルがほしいです。

フレアやマックスは才能があるから必ず上位のスキルを獲得することでしょう。

二人と肩を並べるため、孤児院を守るために賢者のスキルを僕にいただけますでしょうか。


『なるほど、確かに才能ある2人にはそれなりのスキルを授けた。泣ける話じゃのう。

賢者のスキルがそんなにほしいのか?』


はい!!



『本当に?』


はい!!何に変えても!!




『…嫌じゃ。』


へ?


『お主は儂が神かどうか疑っておったじゃろ?それに聖域にまで精神をリンクしてきて儂と話せたんじゃからこれ以上うれしいことなんてないじゃろうが。ニヤニヤ』


『神様!!このものにはもともと「賢者」を付与する予定だったじゃないですか!!いきなりどうしたんですか?』


『ミカエルよ。わからんのか?この者はなぜか儂たちのいる聖域にまで精神をとばしリンクできるんじゃぞ?』


『それはわかりますが、それとこれと何が関係あるんですか?』


『はぁ。何にもわかっておらんなぁ。この何の楽しみもなく、数多ある世界に干渉すら許されない聖域に自分から来れる人間がいるんじゃぞ?』


『確かにすごいことではありますが・・・』


『ちがーう!!こんな面白いことないじゃろうが!!こやつに普通のスキルあげてもつまらんじゃろ!!

なんか面白いスキルないかのぉ?』


『『『神様さすがっす』』』


(なんだこれ?)

(こいつら楽しんでね?)

いや、僕は賢者のスキルがほしいんですが・・・。


『うるさい!!今皆で会議中だからまっとれ!!』

(普通のすきるでいいって言ってんのに)



----------------------------------

数時間後


『決まったぞ!!お主に付与するスキルじゃ。』

何のスキルですか?


『それは内緒じゃ(笑)さっき作ったスキ・・・・いやいや、今まで誰にもつけたことないスキルじゃから超レアじゃぞ!!大切に使うのじゃぞ。じゃあの!!』


ちょっと!!なんの説明もなしですか?

ってかさっき作ったとか言いかけてなかった?

って・・・意識・・・が・・・。




「カイト!!しっかりしろ!!」

「カイトぉ。大丈夫?」

「…フレア。それにマックスも…。ここは?」

「ここは神殿の中の休憩所だ。神霊の儀の最中に急に倒れたから心配したぞ。


どうやら祈ってる途中で急に倒れてしまったらしい。

3時間ぐらい寝ていたようだ。


「…2人はスキルの鑑定してもらったの?」

僕は付与されたスキルがなんなのか2人に聞いてみた。


「うん。神官様に鑑定してもらったよ!!カイト聞いて!私【聖女】のスキルだって」

「…すごい!!フレアなら絶対そうだとおもったんだ!!」


「カイト…。俺のスキルもすごいんだぜ!!なんと【勇者】だ」

「…それもそうどと思ってたよ!!マックスおめでとう!!」


2人のスキルが本当に上位スキルなのにビックリした。

あれは夢じゃなくて現実だったのか?



「カイトも見てもらおうよ」

「…あぁ。そうだね」


僕たちは神官さまのところに行き、神官様のスキルである【鑑定】を受けた。


「カイトさんでしたね。」

「はい」

「カイトさんのスキルは【ゼロサム】というスキルです。」

「はい?なんですかそれは?」

「神官として大変情けないのですが、王国では今までこのようなスキルは見たことがありません。

なので効果なども全くわからないのです。」


神官がいうには今までもみたことがないスキルはあったがどれも文献には記載があったようだ。

今回のスキルは本当に名前すら記載がないものなので全くわからないとのこと。

下手をしたら一生スキルを発動させることなく終わってしまうこともあるかもしれないとか…。


あの糞神のせいだ。

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