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灯りのあるこの街で (短編集)

落とし物は電子街を行く

作者: 新垣 電燈

ある路地の昼すぎ、女性がポーチを落とした。女性はまだ落としたことに気がついていない。

しばらくポーチはその場所にとどまっていた。


ポーチが落ちてから15分経った。

ある人がポーチが落ちているのを発見した。ポーチを拾うと、写真を撮り、「拡散してください!青坂町のライぜリヤの近くで落とし物を見つけました!」 という文とともにSNSに投稿した。踏まれないように道の端に置いた。


ポーチが落ちてから20分経った。

ここで女性がポーチを落としたことに気づいた。

あのポーチには鍵などが入っている大事なポーチなので、急いで来た道を引き返した。


ポーチが落ちてから30分経った。

またある人がポーチを見つけた。その人はSNSをやっていなかった。その人はポーチを交番に届けた。SNS上では忘れ物情報が拡散されていった。


ポーチが落ちてから50分経った。

女性は道路をキョロキョロ見ながら進んでいる。まだ見つからない。SNS上ではさらに拡散されている。


ポーチが落ちてから70分経った。

女性はだいぶ探しまわったが、見つからない。最後の砦として、交番に向かった。SNS上ではさらにさらに拡散されている。


ポーチが落ちてから80分経った。

女性はついにポーチとの再開を果たした。警官にお礼を言い、帰っていった。SNSにいるポーチは、まだ持ち主が見つからず、さまよっている。

ライゼリヤはレストランだと思ってください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 見事なすれ違い(笑)。何でも拡散拡散のSNS社会を皮肉ったお話、面白かったです。 面白かったので拡散拡散
2016/04/19 19:53 退会済み
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