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体育館

 同じクラスの男子生徒が、すぐそばで草むしりをしてしばらく経つ。

 日の向きが変わり、影の位置が変わる。

 木の陰を挟んだ向こう側で百島は息を殺す。


 彼が木を右回りに移動すれば、一緒になって移動する。

 そんなことを続け、当たりの雑草は数を減らしていく。

 体育館前の時計台を見れば30分ほど経っていた。

 このままではもっとたくさんの生徒がやってきてしまう。


 2人以外の声が聞こえる。

 いそがなければ。

 

 目の前の草に集中する彼の後ろをゆっくりと、通過しようとする。

 隣のクラスの男子生徒が振り向きそうになり、また木の陰へと隠れた。


「このままではらちが明かないわ」


 百島は大回りして体育館の前から入ることにした。

 

 手入れのされていない草道を走る。

 肌に草が刺さっていたきもちい。


 草道を出るとプール横に出る。

 プールの使用は10時からなのでまだ人はいなかった。

 体育館と校舎をつなぐ廊下を渡りグラウンドに出る道を行く。

 

 

 日差しが降り注ぐ、グラウンドを通りぬける。

 グラウンドは広く、なんの障害物もない。

 校舎から誰かが見ればすぐにばれてしまうだろう。

 しかし、まだ時間が早いため人はいなかった。

 だが、おちおちしていられない。

 

 

 時間がわからないが、そろそろ部活の生徒がやってくる時間のはずだ。


 体育館の表扉をゆっくりと少し開けて中を見る。

 誰もいない、ように見える。

 がボールの音がした。

 

 中に顔だけ入れてみると、山下がいた。


 このままでは体育館には戻れない。


 ゆっくりと扉を閉めて考える。

 こういう時のために体操着を教室においてあるんじゃないか。


 深呼吸して壁にもたれかかる。


「よし」


 頬を叩いて校舎へ向かう。


 


 


 

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