冒険家
ここは海と珊瑚に囲まれたある南の小さな島である。
この島にはいくつか集落がありお互いが協力して農業、漁業等を中心として生活が成り立っている。わざわざこんな島にやってくることもなく外との関わりといえばたまに遠方の別の島からやってくる人と売買をしているだけである。この島は昔は流刑地として権力争いで追いやられた者が流されてくる島でもあった。その流刑地の名残のせいか島全体の雰囲気は暗くどんよりとした空気が流れていた。電気は水力、風力発電でまかなっており、人口は5千人ほどである。娯楽という娯楽もなく島の人は木を切ったり植木をしたりするくらいである。
そんな島の子供たちの遊びといえば山遊びか釣りくらいしかすることがなく外の世界はほとんど知らないまま一生を終えるのが当たり前であった。そんな島にある日ひどい嵐のせいで男一人をのせた一隻の船が漂着した。その男は冒険家であり色々な土地を旅して調査している者だった。この男は島で少しの間だが暮らすことになった。島の人達も外の世界についてあまり知らなくこの冒険家の話に夢中になった。数か月がたち船の修理も完了し冒険家はこの島からそろそろ出ようと考えていた。旅立ちの日、島の人が見送りに来た、またいづれ戻ってきて恩を返すと約束をし冒険家は旅立った。短い期間だったがその出来事は娯楽もない島の子供達にとってはとても特別だった。この日から子供達は船を作って自分たちも外の世界に出たいと思うようになった。学校が終わればすぐに港の船に乗り込み船の仕組みを勉強する子供まででてきた。実際に船をつくり海にでてしまう子供もでてきた。
しかしまだ完璧な船とはいえなかった。この状況をみかねた漁師たちは大人一人つけて隣の島までなら行っていいという条件付きで船を一隻だけ子供達に与えることにした。漁師たちは隣の島までは約1時間でいくことができ危険でないと判断した。それから土日は子供達は漁師にのっけてもらい船の操縦の仕方など潮の流れや天気、簡単な航海術を教わり隣の島までいくようになった。月日が流れ子供達はひとりでも船の扱いができるようになり漁師たちにも認められひとりでも隣の島までならいってよいことになった。子供達はまっていたといわんばかりに数日後島を旅立つ計画をねった。旅立ちの前日数人の頭の良い子供達が食糧や燃料がどのくらい必要になるか毎日計算していたノートを見直し船に乗ることに選ばれた少年に必要なものなどを渡した。選ばれた少年はみんなに信頼されていてこの計画をうまく実行できると思われていた。そして少年は土曜日の夜に島をでた。まずは隣の島を目指した一時間ほどで到着しその島で情報収集をした。港の漁師の話によるとここから北へ行けば大きな島がありそこには冒険家が多くいろいろな話が聞けると教えてもらい向かうことにした。
そして北に13時間ほどすすみ大きな島に到着した。まずは食事を取ろうと冒険家が集まるといわれる酒場に向かった。酒場につくと大勢の冒険家がいて情報が聞けた。仕事や様々な依頼や求人の募集の貼り紙もあり色々みていると近頃この島で富裕層をねらう強盗集団がでており警察でも手におえず捕まえてほしいという島一番の富豪からの依頼があり行ってみることにした。屋敷につくと警備員がよってきて面接会場に連れていかれた。面接会場では体力、知能といったテストが行われていた。少年は島一番の知能と体力を持っていたが応募者は大人が多く最下位ながら採用されCチームにいれられた。Aチームが強盗集団と戦い、Bチームが後方支援Cチームは主に見張り監視であった。少年は見張りだけなので退屈だった。数日後のある夜強盗集団が現れた。少年たちCチームはA,Bチームに連絡しAチームが強盗集団に突撃した。Bチームもにげようとする強盗集団を抑え込み両者ごちゃごちゃになりつつなんとか捕まえることができた。その様子をみていた少年は世界にはとんでもないやつらがいるんだなと思った。強盗集団は警察に引き渡され屋敷の主から報酬の50万を受け取った。少年は50万で武器を買うことにした少年はナイフは持っていたがこんな強盗みたいなやつらがもっとでてくるとと考えるともっと良い武器が必要と考え他の冒険者の勧めもありリボルバーを購入することにした安くしてもらい30万で購入できた。ナイフにも毒を塗り薬草等も購入した。
少年は師匠を探すことにした。情報によるとこの島にリボルバー使いのすごいデスペラードがいると聞き訪れることにした。どんなすごい人だろうと期待していってみると小屋からでてきたのはただの主婦だった。
少年は主婦に話しかけ説明すると家事を手伝ってくれるなら教えてもいいと言われお世話になることにした。その家事はとてもハードできつかったが約2か月で主婦から教わることはなくなり、もうお前に教えることはないと言われ家事と拳銃の扱いをマスターした。少年は本当に強くなってるか不安で仕方なかった。ためしに酒場で強盗団壊滅の依頼を引き受けてみた。難易度上級クラスなので相当の腕の達人が試験にはきていたが少年は難なくクリアしてAチームにはいった、そして強盗団のアジトにのりこみ少年はほぼひとりで壊滅させてしまった。
どうやら主婦のハードな家事を手伝うことが修行になっていたようで基礎筋力から体幹バランスまですべて鍛えられていたようである。
少年は強盗団を倒すだけにとどまらず強盗団の裏で操ってる組織にも気づいてしまった
どうやら強盗団はこの国の国王が国民を素直に従わせるために強盗団を使いおどしびびらせ警察や兵士をやとい平和をまもってるとしらしめるためのようだった。この構造をしってしまい少年はどうにかならないのかと考える。その後少年は国の兵士に応募をすることを決めた。少年は難なく国の兵士に採用され、数年後
幹部までのぼりつめた。幹部になると裏の取引のような会議に参加しさらに上に従わなければならなかった
、逆らえば殺されるからだ。逆らったり内部の情報を暴露しようとして不審死したエリートも多くいたらしい。師匠である主婦も主婦になる前に幹部であってそういう現実を目の当たりにしてやめたらしいが今も
闇の組織から監視されていると教えてくれた。少年は革命軍を組織することを考える。
革命軍を組織するには世界中で仲間をつくる必要があると考え兵士幹部から退官することにした。
退官したあとも監視される日々が続いたがすぐにこの島を離れたため追跡されずにすんだ。島をでたあとは目的地がなく国々を転々としたがどの国も同じ闇の構造だった。
どの国においても仲間もできたがスパイなどもおおくだまさる時もあり命がねらわれるときもあった。宗教を使い洗脳する国もあった。やり方としてはまずは相手にいい人という印象を与えるそれから悪い方へ誘導する手口だ。逆もあるだれかに悪いことをさして自分がたすけるパターン。だまされるのは情報がない国民である。上の人はしってるがいえば殺されるから言えない状態である。