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異世界とチャクラの巻

 昨日、弥勒に稽古をつけてもらって分かったことが大きく分けて2つある。


 まず一つ目が、この世界のことだ。弥勒は世界を旅していると言っていたので、日本に行ったことがあるか聞いてみたが、日本という国は知らないようだった。ついでにアメリカやヨーロッパも聞いてみたがそれも知らないと言う‥‥。


 弥勒の知っている国の名前を聞いたがどれも俺が知らない名前だった。薄々気づいていたんだが、この世界は俺が元いた世界と異なる世界だということだ。チャクラというものがある時点でもしかしたらと思っていたが、まず間違いなさそうだ。


 そして2つ目がチャクラについてだ。

 俺がいつも出していた白いチャクラは"白湯(はくゆ)"というものらしい。白湯はチャクラの(もと)の状態でこれを色々なチャクラに変換して使用するらしい。どうりで色々試してもなにも起きないわけだ。


 チャクラには大きく分けて"形質"と"形態"の2つの概念がある。


 形質はさらに、"火""水""木""土""風"の5つに分類することができる。


 形態には、"強化""放出""維持""操作"などさまざまなものがある。


 これらを組み合わせてチャクラを組み"(いん)"で発動させるとのことだった。


 印にもさまざまな種類があり、"声印(せいいん)""手印(しゅいん)""筆印(ひついん)"などかある。


 そろそろ頭がこんがらがってきたので、手っ取り早くなんか技を教えて欲しいと弥勒にお願いすると


「そうですね、チャクラコントロールはきちっと出来ているようなので簡単なものからやっていきましょうか。」


 そういうと弥勒は俺から少し離れておもむろに


風遁(ふうとん)の術」


 と、両手を前に突き出し言い放った。


 今まで無風だった俺のいる場所に‥‥‥さわやかな風が吹いた。


「え?」


「どうですか?これが風遁(ふうとん)の術です。」


「しょっぼーー!!」


 思わず叫んでしまった。


「ふふふふ、今回はほとんどチャクラを練っていませんからこんなもんです。多くのチャクラを練れば人を吹き飛ばすくらいの突風にもなりますよ。」


 あ、そういうことね。納得である。


「では、(しのぶ)君も同じようにやってみてください。」


 俺は見よう見まねで両手を前に突き出して、言い放った。


「風遁の術」


「‥‥‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥‥」


 なにも起きない‥‥‥。


「すいません。大事なことを忘れてました。チャクラの形質形態変化を教えてませんでしたね。」


 うぉーぃ‼︎


 思わず突っ込みを入れそうになったが心の中だけに留めておいた。こいつワザとやってるのか?それともただの天然か?恥ずかしい格好とセリフ吐いちゃったじゃねーか。


「ちょっと待っててくださいね。」


 そう言って弥勒は周辺に生えていた一輪の花を根元から引き抜いて持ってきた。


「先ほど石ころにチャクラを込めましたよね?あれと同じ要領でこの花にもチャクラを込めてみて下さい。」


 言われた通りに花にチャクラを込める。


「チャクラとは誰しもが体内に秘めている力なのですが、体外からチャクラが余分に入ってくると消滅反応を起こしてしまいます。なので、この生きている花にチャクラを注ぎ込むと‥‥‥あれ?」


 花はチャクラを(まと)ってユラユラ揺れている。特に変わったところはない。なんやら、弥勒が焦りだしてもう一輪花を持ってきて自分で同じようにチャクラを込める。


 すると、弥勒にチャクラを注ぎ込まれた花はみるみるうちに傷だらけのボロボロの花になり、それと比例するように覆っていたチャクラは消滅していった。


「これが"花調べ"という人それぞれの得意な形質を調べる方法です。私の場合は風の形質が強いのでこのように傷だらけになります。火なら燃え、水なら滴を出し、木なら成長し、土なら(しな)びるというわけです。」


 弥勒は取り繕うように知識を披露する。が、俺の花は依然チャクラを覆ったまま揺れている。


「俺の花はどうなんですか?」


「わからないです‥‥。不思議〜。」


 不思議じゃないやぃ‼︎あれか?才能なしっていうオチなのか?せっかくワクワクしてんだからなんとかせい。とりあえずお花さんがなんかかわいそうだったのでチャクラを回収しておいた。


 それを見て弥勒がなにか思いついたのか先ほどのただの石ころを持ったきた。


「忍くん、今から私がこの石に風の形質チャクラを注ぎ込みます。無機物の物にチャクラを注ぎ込むと有機物とは違い消滅反応は起きませんが、すぐに拡散してしまいます。その前に忍くんに渡しますので先ほどのように回収してみて下さい。」


 俺は黙って頷いた。


「では行きますね。」


 と言うと弥勒の右手にチャクラが集まり出し、次第に白湯から黄色の風チャクラに変換され石へと移っていく。


「はい、お願いします。」


 弥勒に石を手渡され、いつものように白いオーラを出し回収‥と思ったら俺の白湯が黄色く染まり出した。いしを握っている右手周辺のチャクラが全て風チャクラに変化したのだ。


「その状態で風遁の術を使ってみてください。」


 言われるがままに手を突き出し、


「風遁の術」


 すると無風だった場所に突如、帽子が飛んでいきそうな強風が吹いた。


「おおーできたー!」


 思わず叫んだが、それと同時に一気にチャクラを消費したのかどっと体の力が抜けるのを感じた。


 こうして俺は異世界で初めてチャクラの使用に成功したのだった。

やっと術がでてきたー(;´Д`A


チャクラについて書きました理解していただけたでしょうか?今後ちょくちょく説明は入れていこうと思います。

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