表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/62

ん~☆ジャンピングニャン

 「で、でも、侮辱なんかしていませんわ。

  ちょっとインタビューしただけで……そりゃたしかに、両者に感情的なもつれが生じたことは、事実ですけど」

  

 「本当の問題は、侮辱うんぬんじゃない。

  自分の愛人のもとに、女が訪問したことを、姉が知ったことだ」

  

 「というと……アタシがウィルビウスと関係を持ったと、疑ってらっしゃるんですの? アルテミス様は」

 

 「それが真実かどうかは、重要じゃない。

  誤解を招くようなマネをしてしまったこと自体が、失敗だ。

  ウィルビウスが、ケガをしていたから、何があったのかを、姉は問い詰めたそうだ」

  

 「アタシも、ずいぶんやられたんですのよ。

  一週間は、あざが消えなかったわ」

  

 「キミのケガなどは、どうでもいい。

  インタビューするなら、まずはじめに、こちらか、姉に許可を取るべきだったんだよ。

  目的や質問内容を明らかにしてな。

  それが無理なら、終始穏便に済ませて、周囲にわからないようにするべきだった。

  ウィルビウスだって、何があったか、姉にはなかなか白状しなかったそうだぞ。

  誰にも知らせず、キミと二人で会うなんて、軽率だったと理解してるんだろうな」

  

 「アタシも、考えなしだったのは認めます。

  でも、ウィルビウスだって、いきなりアポなしの突撃インタビューを受けるのを、快諾したんですのよ。

  どうしても嫌なら、門前払いすればよかったのに。

  きっと、ヘンな下心があったんですわ。

  だって、アタシ、セクハラ受けましたもの!

  ケンカの原因は、それですし」

  

 アポローンさんから、薄く笑ったような気配が伝わってきたわ。

 きっと、アタシの傍若無人な愚行(←自分でもわかってんのよ!)を、あざ笑っているのね。

 

 とほほ……調子に乗って、無茶しなきゃよかったわ……今になって、大後悔時代よ……。

 1492(いようくに)だと、コロンブス……。

 

 って、アタシはブスじゃないわ!

 ウィルビウスの奴、アタシを喪女呼ばわりしやがって……クソが!

 

 世の中には、いくら真実でも、面と向かって言ったらダメなことがあるのよぉ!

 ↑か、哀しい……。


 どっぷり感情移入して、涙やよだれを、たらたら垂らしながら、歌い上げた脇役(仮名)ちゃんから、マイクが主人公(仮名)ちゃんに渡ったわ。

 

 「さあって、久々に、ちょーっとリミッター解除して、歌っちゃおっかな。ボフォッ(←マイクに息がかかった音よ)」

 

 ついに、真打登場! みたいな意気揚々とした態度で、お友達のふたりを睥睨する主人公(仮名)ちゃん。

 

 これほどまでの自信に裏打ちされた選曲で、果たしてどんなオチを付けてくれるのかしら?

 これで、いままで続いたカラオケ三部作の是非が決まるわ……!

 

 イントロ、スタート!

 

 ♪「アイム、スキャッ○マーン」♪

 

 って、コラァァァァァァァァァァァァァァァ???

 

 歌詞、書けねーだろーがぁ!

 いや、書いてもいい、書いてもいいよ?

 でも、ほとんど擬音ばっかになっちゃうじゃないのよっ!

 そんなの何百行並べても、どうしようもないでしょ!

 この作品は、アヴァンギャルドなポエムじゃねーのよ、あくまで大衆的な分かりやすいコメディとして作ってんのよぉ!

 

 誤解を招くといけないから、言っておくけど、スキャットマン・ジョンさんはいいのよ?

 

 むしろ、彼はすごく立派なアーティストなの。

 幼少時から、吃音症というハンデを抱え、周囲の無理解に傷つきながらも、ジャズピアニストとして身を立てて、一生懸命、他の人とコミュニケーションを取ろうと努力したのよ。

 でも、やはり会話をするときに、吃音が出てしまうことが、心の重荷となり、ドラッグにはまってしまったこともあったようね。

 そんな中、仲間のミュージシャンが、ドラッグが原因で死亡。

 一念発起して、ドラッグを絶つことに成功したの。

 しかし、現実逃避の手段を捨てたことにより、自らの吃音に対する引け目が、いっそう彼を苦しめたわけ。

 おりからの不況で、仕事も不安定になった彼は、ついに自らのハンデを武器にして、スキャットで構成された歌を構想、発表したのよ!

 なんと、デビューは御年、52歳。

 自分のように吃音症で悩む人たちに勇気を与えるために、あえて自ら歌うことにしたそうよ。

 そして、世界的な人気を博しながらも、57歳で惜しまれながらこの世から去ったわ……。

 

 うう……泣ける話よね……。

 

 まあ、せっかくだから、他に主人公(仮名)ちゃんが歌っていた曲を掲載して、カラオケ三部作は終わりとするわね。

 なんか、深夜のバラエティ番組(憤り新党? かなんかよ)に取り上げられていたアニメだそうよ。

 って、アニソンかよ……。

 

 ま、こんなのよ、うろおぼえだけど。

 

 ♪♪♪

 ん~☆ジャン○ングニャン

 (アニメ「スー○ャット」劇中歌)

 

 (著作権侵害の恐れがあるため、作者が削除しました♡)

 

 ♪♪♪

 

 あはは、もう笑うしかない、内容のなさよね。

 

 でも次回は、きっと新展開するわ。

 

 アタシの立場も、どんどんまずいことになりつつあるしね……。


 ようつべのCMで思い出したけど、大人になったノ○タくんと、シズ○ちゃんのも、キッツイわよね~。なんだか似たような発想のCMは何年も前から、あるわけでしょう? それに、あのキャラクターたちの未来っていうのは、もう大まか決まってるわけじゃない。この先どうなるか? なんてサスペンスもないし、今風の大人にしただけってカンジだしね。

 ところで、次回の主人公(仮名)ちゃんは、どーなっちゃうのかしらね……?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ