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前説
ムーサよ、語れ……。
イヤよ。
なんて。
アタシはタレイア。
だから、これからお話するのは、一応、コメディってわけ。
もっとも、面白おかしく笑えるかどうかは、保証できないわよ。
だって、あんまりたくさんのお話を知っているから、面白さってものが何なのか、わからなくなってしまっちゃったんですもの。
でも、アタシの中では、まあまあ及第点かな? って話を披露するつもり。
ところで、どうしてアタシが前にガンガン出てくるのかって言うとね。
ほんのちょっぴり、不思議な出来事から、始まるからなの。
だから、はじめっからアタシが出てきたほうが、ああ、こーゆーテキトーノリのお話なのね、って心構えができるでしょう?
(どれだけテキトーかって言うとね、主人公だけ設定して、後は何も考えていないの。ここだけのハナシよ)
これって、いわゆるインフォームド・コンセントってやつかしら。
さ、前置きが長くなっても興ざめだわ。
そろそろ始めましょうか……。