表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/45

六冊目・ブラックジャック 手塚治虫

手塚治虫「ブラックジャック」


 今回誰でも入手しやすい本にしました。世界中に知られている漫画家の故手塚作品の一つ、「ブラック・ジャック」 です。

 手塚治虫はマンガの神様と言う人がいますが私も心からそう思います。ブラックジャックは私の子供の時から単行本がありました。私は小さいときは漫画は読ませてもらえなかったのですがどういうわけかベルばらと手塚治虫の本だけは読んでもいいことになっていました。小さいころに読んだ本は漫画や童話や小説にかぎらず本当によいものは大人になってからもまた味わい深く読めるものです


 幼いころに読んだブラックジャックの感想は漠然とおもしろかった、だけです。ブラックジャックとピノコちゃんがいろんなことをしたり、変わった病気をどうやってなおすかというストーリーにのめりこみました。手塚が医師の資格をもっていて病気の容態や治療方法、予後を知りえる素地があるため、他の医療系漫画の作者のように現役医師の助言や関係者から詳細な資料提供をうけているのだろうなと思うところが全くない。

 手塚はブラックジャックやドクターキリコを自分ひとりの頭の中で誕生させ、活躍させていたのだ。そしてあの自由並びに奇想天外な発想と思考能力であの大傑作を描きあげたのだ。私は成人後病院勤務をこなすようになってから、ああ、あれはこういう意味だったのかと悟ることもありました。現在こうして読み返していると病気に苦しむ患者や治りたいという意思、治してやりたいという医者としての情熱。医者同士のプライドのぶつかりあい……何十年も前に描かれた作品なのに基本的なことは今現在に通じているどころか、これから先未来も変わらないだろうというという現実に愕然とする。

 公害や戦争のおろかさ、孤児のさみしさや病気によって日常生活で味わう疎外感も、漫画と侮れないくらいきちんと描かれている。作者の言いたいこと、描きたかったことが理解できるようになるとまたおもしろいし、漫画から彼の人生論を読み取るのもおもしろい。


 ブラックジャックの連載は実は何かの本で手塚治虫の人気に陰りが出てきてそれを打破するため、チャンピオン(現在廃刊)が決めた、と読んだ記憶がある。人気に陰りと言うか手塚作品はいい子向けの漫画という位置づけでゲーム感過激感煽り感がなかったとされていた。当時から漫画界の大御所なのに意外だった。おまけに現在ではヒューマンコミックという扱いだが当時では恐怖漫画の範疇になっていた。手術の場面を描いたり、人間の体内や怪我、病気の苦しみを少年漫画で描くというのはかなり画期的であったのではないだろうか。長期連載にGOサインを出した編集者も偉いと思う。


 皆さんもよくご存じのようにブラックジャックは天才外科医だが無免許でかつ大金を巻き上げる。特に金持ちや権力者には容赦がない。基本的に弱者の味方で場合によっては無料で手術する。ブラックジャックの仲間と言うか敵というか安楽死を稼業にしているドクターキリコの存在もまた格別で知らずに生と死を考える要素にもなりえる。

 盲目の鍼灸師や他の外科医たち、どの登場人物も味があって大人になってから改めて感心したりもする。実は私の手元には今ブラックジャックは一冊しか残っていない。子供の時は全巻あったが人に貸したりして散逸してしまった。それでも印象に残っていてこれだけ年数がたっても覚えているのだ。だから余計に手塚治虫はすごいと思う。



」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 話を変えるが氏の絶筆作品になったルートヴィッヒの続編を読みたいと思います。もう氏は亡くなられたので決して続編はでることはないだろうがあの尻切れトンボの終わり方ときたらもう……鉛筆書きでいいので続編のプロットとか残ってないですか、私も死んだらあの世で続き読ませていただけるのですかっと叫びたいくらいです。

 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ