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酒気をおびた杯を交わして陽気に歌う姿を見れば、誰もがウィンラグに惑わされているように見えてきます。

私も楽しいことは好きですので、こういった光景は見ていて楽しいものです。

たまにはですが、陽気なウィンラグに惑わされてみるのも良い気がしてきますね。

私の杯から漂う果実酒の甘い香りを堪能しながら、そんなことを考えていたのです。


ふふ、魔王さまー!本日は少々お酒をたしなんできたのですよ!

緩やかに影が濃くなる風景を眺めながら飲むお酒も良いものですね。

魔王様は、お酒は好きなのでしょうか?

前にも聞いたことがある気がしますが、教えてくれないので分からないのですよ!

私の個人的な予想では誰もが相手にならないほどの強さと思っているのです!


そういえば、陽気なウィンラグに惑わされたものは陽気に笑いながら踊りつくすという言い伝えもありますが、さすがにそんなことはしませんよね!

今日は、変に明るくなった 絡まない蔦が一人で笑いながら話していることがあったのですが、もしかしたら、本当にウィンラグでも現れていたのでしょうか!

お酒好きで陽気なウィンラグは小さくて可愛い小人と言いますので、一度は見てみたいと考えてしまうことがあるのです!

本当にいたら楽しいと思いませんか?

お酒が好きなせいか、誰もが知らないお酒のありかを知ってるとも言いますので、そんな情報を手に入れることが出来たら楽しいと思うのです。

もちろん、誰も知らないお酒を初めに堪能するのは魔王様ですので、ご安心くださいませ!


ふふふー、なんか良く分からないことを書いてしまったような気がしますが、続けていきますのでお付き合いください!

えーと、お酒をたしなんだ理由を書いていませんでしたね。

そう、ちゃんと説明をさせて頂きますと、今回「シンデレ」でちょっとした交流会をしてきたのですよ!

まぁ、全員が集まることが出来なかったので、私と 絡まない蔦と組合長の三人でなのですけどね。

通常はこんな時期に交流会なんてしてませんので、集まりが悪いのは仕方ないのです。


さて、そもそもの発端ですが、絡まない蔦の個人的な都合によるものだったりするのです。

単純なことなので簡単に言いますと、生活費が厳しくなってきたので飯を食わせてほしいということなのですよ!

実におこがましい理由とは思いませんか?

なぜ 絡まない蔦なんかのために料理をしてあげないといけないというのかって感じですよ!

私はそんな気はなかったのですが、気が付けば組合長が食材を買っていたのです。

いつの間にか 絡まない蔦にまるめ込まれてしまったみたいですね!

それなら、絡まない蔦と組合長が料理をすれば良いのですが、二人だと食材を無駄にしてしまう可能性があるのです。

二人ともたいして料理が出来ませんので。

そこで仕方なく私が料理をしてあげることにしたのですよ。

せっかく用意された食材を無駄にするのはもったいないですからね。

「シンデレ」には調理場もありますので、そのまま組合で宴が出来ますので、そういう時は便利が良いものです。


ふふ、今日は用事があったため、組合に寄ってしまったことを少し後悔してしまいましたよ。

最近留守がちだったので、資料をまとめないといけなかったから仕方なかったのですけどね。

せめて、広げない翼先輩がいればもう少し楽しかったような気がするのです。

残念ながら、一人で料理を用意してから宴といった形になりましたね。


ちなみに 絡まない蔦の生活費が厳しくなった理由についてですが、また商人のとっておきを買ってしまったようですね。

腕を見せつけるのは良いのですが、見極めが相変わらず甘いのですよ。

前のハンカチーフと同様に、絡まない蔦には似合わない上等な日傘を手に入れていましたよ。

何に使う気でしょうね?

そこは 絡まない蔦も分かっているみたいで、遠い目をしていましたよ。

基本的に日傘なんて洒落たものを使う機会なんてないでしょうし、何よりも目立ってしまいますので調査員としても必要のないものだと思うのです。

しかし、日傘といえば、貴族が買うようなものですので大体は高額のものだったはずです。

それを 絡まない蔦の手持ちで買える程度まで値下げをしたということは、凄く信頼を勝ち取ったことだと思うのですよ。

そこはやはり凄いところだと思います。

それにどんな人の信頼を勝ち取ったのかは少し気にはなりますしね。


実はどことなく聞いてみたのですが、そこは口が堅かったのです!

料理を振る舞ってあげているのですから、その辺の情報くらいはくれても良い気がしますけどね!

まぁ、絡まない蔦なりの信念がきっとあるのでしょう。

特別必要な情報というわけでもありませんでしたので、今のところはそれで良しとします。

もしも、必要となった時は全力をもって口を割らせますけどね。

魔王様も気になったのでしたら、気軽に言ってくださいませ!


さて、不本意で始めた宴ですが、一応交流会という名目で行ったのです。

料理がメインだったのですが、絡まない蔦が一応果実酒も用意していまして、それが美味しかったのです。

いつもは安い酒ばかり用意するのが 絡まない蔦なのですが、今回は少しばかり質が良いものを用意していたのですよ。

どうも人から譲ってもらったものみたいなのです。

通りで 絡まない蔦が持ってきたものにしては質が良いものだったのですよ!

あの果実酒もきっと上手いこと誘導して譲ってもらったのでしょう。

こういったことは 絡まない蔦は本当に得意ですからね。

食事も同じようにすれば良いとも思いましたが、それをあまりに頻繁にしていると「シンデレ」の調査員としてみっともないような気がするものです。

そう考えると、今回のように交流会という形で食べさせてあげるのも良い手なのかもしれませんね。

正直、どちらにしても恥ずかしい行為だとは私は思いますけど。

しかし、組合長はもしかしてそこまで考えていたのでしょうか?

いえ、組合長は人の良いので、きっとただのおせっかいの行動だったのではないかと思います。

人の良いところが組合長の良さですが、そこが頼りなく感じてしまう部分でもあるのですよね。


あっ、このことは秘密にしてくださいね!

組合長の耳に入ると落ち込んでしまうと思いますので!


うふふ、なんか果実酒が美味しかったせいか気分が良いのです。

そこだけは 絡まない蔦に感謝しても良いかもしれませんね。

料理も多少は日持ちするものを作りましたので、少しの間は 絡まない蔦も大丈夫でしょう。

ああ、早く魔王様にも料理を振る舞いたいものです!


そうだ!お好きな食べ物や興味のあるものがあれば教えてくださいませ!

魔王様が組合に立ち寄った時に振る舞えるように準備いたしますので!

是非お願いいたします!


魔王様と杯を交わして料理も堪能してもらう、そんな日を待ちわびているのですよ!





<追伸>


 そういえば、魔王様は神樹祭の衣装は用意出来ていますでしょうか。

 まだのようでしたら、まだ間に合うと思いますので、ご連絡をくださいませ。

 素敵な衣装を仕上げる職人を紹介いたしますので!





                                                                     埋もれた蛙

<補足説明>

・ウィンラグ

  古くからある言い伝えの小人。

  酒が好きで宴の場に現れると言われている。

  酒を飲み陽気になる様を"ウィンラグに惑わされている"という。

  極端に明るくなり、歌ったり踊ったりする姿を見てそう言われる。


  宴にウィンラグを見つけても知らないふりをしないといけない。

  陽気なウィンラグは好意的な態度をとってくる。

  気づいた人の酒に陽気になる魔法をかけてしまうのだ。

  その酒を飲んでしまった人は惑わされてしまい、

  酔いが醒めるまで踊り続けてしまうだろう。

  魔法のかかった酒はなかなか酔いを醒ますことができないため、

  実質死ぬまで踊り狂うとも言われている。


  ウィンラグを見つけたら気づかれないように後を追ってみなさい。

  ウィンラグは大の酒好きであり、秘蔵の酒をどこかに隠している

  らしい。

  その中には誰も口にしたことのない酒もあると言われている。


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