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1029年05月27日
影が濃く塗りつぶされたこの時間帯は、揺らめく蝋燭の火が美しく見えるものですね。
魔王様、前の報告書より一日しか経っていませんが、無事に「フユユン」より帰還できたことを連絡させて頂きます。
昼過ぎに「フユユン」を出発したせいか、気が付けば日も落ち、暗い時間となってしまいました。
でも、安心してくださいませ!
何事もなく「ティルファ」へ帰り着くことが出来ましたので。
それはですね、丁度良いことに「ティルファ」へと向かう途中の運び屋に出会うことが出来たからなのです。
商人の依頼を請け負った後の帰りみたいでしたので、人は多くはなかったのですが、私達だけで帰るよりも安全なので安心したものです。
アルメーネの知り合いもいたようでして、一緒に行動することも快く承諾してくれました。
まぁ、若い男性もいらっしゃったので、ジロナあたりは結構言い寄られていましたけどね。
ジロナは真面目なので、軽い感じで言い寄られた時に上手く対処がし切れないみたいですね。
いずれ職人として一人前になりたいのでしたら、こういったことには慣れていた方が良いと思うのですけどね。
しかし、ジロナのことを考えていると何だか心配になってきましたね。
今回は大丈夫でしたが、一人の時は問題ないのかしら。
ああ、後でこっそりとアルメーネと広げない翼先輩とも相談をしてます!
きっとあの二人なら私の気持ちを分かってくださると思いますので。
あ、魔王様?もしかしたら、運び屋の皆さんが危ない人達だったのではないかと心配していないでしょうか。
ご安心くださいませ!
アルメーネの知り合いでもあり、皆さん良い人達でしたので、危ないことがあったわけでありませんでしたので!
軽い言葉に反応してしまうジロナをからかう若い男性がいただけですからね。
その反応が私は少し心配に感じてしまったのですけどね。
しかし、運び屋の皆さんは普段使っている道なのか、色んなことを知っていますね。
ちょっとした野草が生えている場所や、少し甘い果実が出来る樹の場所などです。
私もある程度は知っていると思っていたのですが、まだまだ知らないところはありましたね。
イルグミの木があの道筋にあるなんて、初めて知りましたので、勉強になりましたよ!
結構実がなっていましたので、ついつい取ってしまいましたね。
直接食べるにはまだ早いものですが、乾燥させてからお酒や湯に混ぜるには十分だと思いますしね。
ふふ、あのほんのりと甘く感じるのが、ホッと息がつけて結構好きなんですよね。
思わず多めに取ってしまいましたので、何に使うのか考えないといけませんね。
と、思わぬ形で寄り道をしてしまいましたので、帰り着いた時は影が濃く塗りつぶした頃となっていたのです。
さすがに遅い時間帯でしたので、「シンデレ」への報告は明日にすることにしました。
他にも請負勘定所へ依頼完了報告に、手に入れたハーブのメモを綴った本を渡す必要もあります。
何だかやることがたくさんあるような気がしますね!
そう思うと何だかこの気持ちが収まらなくて、気が付けばここまで筆を走らせていたのです!
ああ!忠誠心というものは素晴らしいものなんですね!
きっとこの行動が忠誠心なのですね!
ここまでお付き合いして頂きありがとうございます!
明日は早いので、本日はここまでとさせて頂きます。
魔王様も、お疲れが残さないようにお休みくださいませ。
<追伸>
この報告書ですが、本日知り合った運び屋に渡そうと思います。
せっかくの機会でもありますし、顔を広げるのにも丁度良いですからね。
しばらく「ティルファ」へ在留すると言っていましたので、探せばすぐに見つけられることでしょう。
いつもの運び屋にお願いするわけではないので、もしかしたら少し遅く届くかもしれませんが、ご了承くださいませ。
埋もれた蛙




