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                                                                  1029年05月14日






往来の多い広場には今日も多くの声が飛び交わしています。

様々な商品を並べた露天商が声高く売り込む姿とみると、やはりここは商業都市なのだなと感じることが出来ます。

活気づいた広場を通りすぎるだけでも不思議と力を頂いた気分となれるのです。

今は神樹祭の準備で多くの貴族らが訪れる時期となりますので、自然と商人も多く集まります。

そんな彼らを見ていると、ついつい足を止めてしまいますね。


大体は小物を扱っている商人ばかりなのですが、珍しい食材や品物を持ち込んでいる者もいますね。

神樹祭のために衣装を求めて訪れている人が多いので、その衣装のついでに小物を買ってもらうようにと用意されているのです。

なかなか上手くいっているみたいで、結構買っていく人は多いようですね。

露天商を開いている知り合いに確認しましたので、間違いないと思いますので、ご安心くださいませ。


ちなみにですが、露天商で交渉に応じるどういった方々か分かりますでしょうか?

多くは商人らも求めている貴族達だと思うことでしょう。

しかしですよ魔王様、実は違ったりするのです。

商品を売り込むための口上を聞いて足を止めてしまうのは、実は情報機関組合の者が多かったりするのですよ。

その次は商業協会や売買組合の者が多いですね。

ふふ、意外に感じますでしょうか?

いえ、そんなことないのですよ魔王様。

珍しいものを売り込む見知らぬ商人というのは立派な情報源となりますからね。

情報機関組合や、商業協会に売買組合のものは情報を求めて商人との接触をはかる場合があるのですよ。

みんな仕事熱心だとは思いませんか?


どこで有益な情報を得るか分かりませんので、顔を広げるためにも一旦交渉してみるのが良いのです。

それも重要ではありますが、私達が行うのはそれだけではなかったりするのです。

情報機関組合では口がまわる方が多いので、その実力を見せつけたいという願望の方も中にはいるのですよ。

彼らは良さげな商人を見つけますと、品物の交渉を行います。

上手く話を乗せて、店に広げていない商品のことを聞き出すのです。

どんな商人にも大事にしている商品というものがあります。

手放すことを惜しいと考えるほどの商品を、店先に広げるように上手く話を乗せていくのです。

その商人が大事にしている商品も持っているのかを見極めるのも腕の見せ所だったりするのです。


手放す気はなく、自慢だけしたい商品を持っている商人もいますが、こちらは対象とはならないのです。

上手く話に乗せて、隠していたものをあぶりだすことが重要なのです。

それはなかなか難しいものなのですよ。


あ、魔王様?

もしかしてですが、商人を弄ぶ酷い遊びとか思っていないでしょうか。

確かに、情報機関組合の遊びみたいなものですが、弄んでいるわけではありませんからね。

彼ら商人が大事にしている商品は、実際は自慢したくて仕方ないものなのです。

ただ、「ティルファ」に慣れていなかったり、商品を手放す恐れによって表へ出してこないだけなのです。

交渉を通じて商人の信頼を勝ち取り、大事な商品の自慢話をして頂くように仕向けるのですよ。

好きなものや大事なものについて気持ち良く語られる場を作る、これが情報機関組合の調査員としての力なのですよ!

相手の商人も悪い気分にはならないものです。

交渉については遊び部分もありますが、本来の目的は商人と繋がりを得るものでもありますので。

大事なことは忘れていないものなのですよ。


とは言っても、たまに調子に乗り過ぎて、その商品を高く買い取ってしまう人もいるのですけどね。

信頼して大事な商品を売ってくれるのは凄いことなのですが、基本的にそういったものは高いものとなります。

ある程度は安くしてくれているのでしょうが、情報機関組合の一員では高い買い物となってしまうものです。

そうならないように絶妙に見極めることが重要なのですけどね。

ああ、ちなみにそんな調子に乗り過ぎた奴の中に、絡まない蔦もいるのですけどね。


どこかの貴族が利用していたと言われる上等なハンカチーフを買い取っていましたね。

絡まない蔦がハンカチーフなんて似合わないものを手にしているのです。

そんなものを利用するような奴じゃないでしょうに。

まぁ、本人も分かっているようでして、泣きそうな顔をしながら「シンデレ」のメンバーにハンカチーフを売ろうとしてましたけどね。

誰も買うわけがないのにですよ。

いわば戦利品みたいなものなので、少なくても情報機関組合のものは買い取ったりはしないものです。

余程高かったのでしょうが、調子に乗り過ぎた自分が悪いのです。


そうだ!魔王様が「ティルファ」に訪れた時には私の交渉を見せてあげますね。

ふふ、そう考えますと腕をなりますね。

訪れてくれる日を心待ちにしています。




<追伸>


 そういえばなのですが、近ごろ隣町から手伝いの依頼が請負勘定所にたくさんきているようなのです。

 どうも、ハーブに関する話みたいなのですが、まだ詳細は分かっていません。

 隣町とハーブがあまり繋がらないので、良く分からないことなのです。

 アルメーネが結構この依頼を受けていると聞きましたので、ちょっと確認してみようと思います。


 しかし、アルメーネは隣町に行っていたのですね、道理であまり見かけないと思いました。

 

 では、こちらも何か分かりましたら、報告させて頂きますね。

   



                                                                     埋もれた蛙


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