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                                                                  1029年04月14日





多くの人が行き渡った神樹祭衣装の展覧会は無事終えることが出来ました。

なかなか気に入られた職人が多かったみたいで、最終日は交渉をしている人がほとんどでしたね。

上手くまとまった職人も結構出ましたので、しばらくすると依頼人と共に出発することでしょう。

今、慌てて旅の準備をしているのでしょうね。


あ、魔王様、気になっていると思いますので、神樹祭衣装の展覧会について報告させて頂きます。

「ティルファ」の技術力を魅せるつける結果になったかと思います!

しかし、前の報告でも書きましたが、素晴らしい出来の衣装が並ぶ様は本当に圧巻でしたよ!

是非、来年は魔王様も見てみてくださいね。


さて、出来の良い衣装を参加した職人は出品することが出来ましたので、ほとんどの職人は誰かしらの目に止まったようです。

ただ、無理な注文をする人もいますので、少し揉めたところもあったみたいですね。

今回初めて出品した「ヘメデス」という職人は、若いながらそれは素晴らしい衣装一式を仕上げていました。

多くの依頼人が殺到しまして、是非ともお願いしたいと言う声がしきりなしに聞こえてくるほどです。

そんな中、ヘメデスは一番高い金額を上げた人物の依頼を受けようとしたのです。

条件としては一番良いものを選ぶのは当たり前だと思うでしょうが、そこに"待った"の声が上がってきたのです。

声を上げたのはヘメデスの師匠みたいでした、何となく厳しそうな顔立ちをした中年くらいの男性でしたね。

そんな師匠さんにヘメデスと依頼人は声を荒げていましたが、師匠の話を聞くとみんな納得してしまったのです。


どうも、その師匠さんが言うには今回ヘメデスが受けた依頼は、本人以外にも妻や息子達と合計8つ分を繕って欲しいというものでした。

ヘメデスの腕は十分なので、彼らを納得させるものを仕上げることが出来るだろうが、問題は時間みたいです。

師匠さんが言うには「1人分を仕立てるのに早くて2週間はかかるだろう、それを8つだといつになるか分かるか?」というものです。

ヘメデスは今回の依頼が初めてのものになるし、助手も特にいないのでどんなに頑張っても間に合わないだろうと重ねてきました。

確かに移動時間や不慣れなところがあることを考えれば、その通りかもしれませんね。

ヘメデスも自分を高く評価してくれたのに舞い上がり、自分の技量に見合った条件というのを見落としてしまっていたみたいです。

彼はまだまだ未熟みたいですが、師匠さんみたいな人が近くにいることで、より彼の今後は期待している声は上げってましたね。

私もそう思いましたので、魔王様も覚えておくよ良いかもしれませんよ。


結局、ヘメデスは2人分を仕立てる仕事を受けることになりました。

8つ分をお願いした依頼人ですが、さすがに悪いと思ったのか、師匠さんが条件に当てはまりそうな職人を数名紹介していました。

後で 広げない翼先輩から聞いた話ですが、助手も多くて手馴れている職人が受けたみたいですね。


とこんな感じで依頼の交渉は進んでいったのです。

今回のヘメデスも、もしも師匠さんが声を挟んでくれなければ仕事を失敗していたかもしれませんし、後で取り消しなんてしたかもしれません。

そうなりますと信頼も失いますし、この展覧会にも影響が少なからず出てしまうのです。

結構危なかった話だったのかもしれませんね。

そのあたりは、「商業協会」も力を入れて確認しているみたいですが、どうなんでしょうね。

少なくても、今回は間には入らなかったみたいですね。

人も多いので、他のところに手を取られていたのかもしれませんけどね。


あ、そうだ、前の報告で連絡した私の知り合いである靴の仕立て屋ですが、彼も無事依頼を受けていました。

依頼内容を聞いてみますと、ちょっと遠出してしまうみたいですね。

残念ですが、私の靴はお預けみたいです。

ああ、ちゃんと激励の言葉はかけましたからね!

別に個人的なことばかり考えているわけではありませんので!

きっと彼なら素晴らしい出来の靴を仕上げてくれることでしょう!

その靴を見れないのが残念ではありますが、心から応援していますからね!



ふふ、「ティルファ」誇る職人達なので、当たり前ですが認められた人が多いのです。

それは大変喜ばしいことですが、大分職人が少なくなるという問題もあります。

そもそも、展覧会に出品しなかった人や条件が合わなかった人がいますが、それでもいつもよりは職人が少なくなってしまう時期なのです。

この時期は腕の良い職人が外に出てしまっていますので、色々と職人への依頼を出すのが難しくなる時期なんですよね。

そんな時こそ、私達情報機関組合の出番になるのです!

要件に当てはまる職人をビシッと案内出来ることが、腕の見せどころなのです!


大丈夫だと思いますが、魔王様は心配なんてされていませんよね?

もしかしたら、「シンデレ」のメンバーが失態を犯すのではないかと?

そこは安心してくださいませ!魔王様!

この魔王様配下の「埋もれた蛙」を始めた「シンデレ」メンバーは失態なんぞ犯しません!

…ちょっと心配な 絡まない蔦 には注意しておきますので、大丈夫ですからね。

そう、素晴らしい成果が耳に入ることを期待してくださいませ!


あっでも、なんか魔王様に期待されるかもと思うと、それはそれで緊張してまいりました。

いえいえ、本当に大丈夫ですからね。

あ、字が多少歪みましたが動揺はしておりませんので。



さて、とりあえず今回の報告はここまでとさせて頂きます。

詳しい内容や確認したいことがありましたら、是非とも私まで連絡をくださいませ。

お待ちしております。



<追伸>


アルメーネと展覧会後に約束通り会いましたが、あまり話すことは出来ませんでした。

どうも、手伝っていた職人も依頼を受けたようで、今度はその準備を手伝っているようです。

アルメーネは旅にはついていかないみたいなので、準備が終わった頃に会うことになりそうです。


そうですね、彼女と公衆浴場でじっくりと語り合うのが良いかなと考えています。


まだ、しばらく準備に忙しいでしょうから、先の話になりそうですが。

彼女も旅をしている身ですので、早めに色々話したいものです。


                                                                     埋もれた蛙


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