レイニーメモリー
掲載日:2013/10/21
雨が降りだした。
消したはずの記憶が滲み出す。
ぽつりぽつり雨が降る。
閉ざした扉から漏れ出す。
雨に滲む記憶たち。
滲んでぼやけて流れいく。
もう忘れたいの。
こんなに切なくなるのは雨のせい。
ぽつりぽつりと降る涙のせい。
雨雲に覆われた空の表情は悲しい顔。
それは私の今の顔と同じ。
ふと振り向けばあなたがいる。
困った顔をして笑うあなたの顔は雨に霞んで消えていく。
それは雨の雫に映し出されたあの時の思い出。
忘れたい。
忘れたいの。
でも本当は忘れたくないの。
記憶の中のあなたの温もりは雨に冷えて消えていく。
残ったのは切なさだけ。
雨よどうかお願い。
あの人を愛した日々を雨で流し去って。
そうしていつしか雨は降り止んで。
空には虹の橋がかかる。
晴れやかな空。
私の心には物憂げな雨が振り続ける。
私はどうしてこんなに切ないの?
どうしてかわからないけれど。
私の頬にぽたりと雫が落ちた。
そう、切ないのはきっと雨のせい。
さようなら。
私の愛したあなたとの思い出。




