私の居場所
辛いでも笑わなくちゃみんなに嫌われる。嫌われたくない、だからいつもへらへら笑ってる。自分の気持ちを隠して。心が苦しい。一人でいたら消えてしまいそうになる。怖い、辛い、どうしたらいいかわからない。居場所がなくなるのが一番怖い。
「悠佳、早くここ片付けて。」
「ごめんすぐやるから。」
「まじであんたトロイね。ちゃんとやっといてね。」
なんでいつも私だけこんなことやらされなきゃいけないの?なんで私だけ。辛いよ。でも居場所をなくしたくない。
私がプリントを片付けていると、急に声をかけられた。
「お前なにやってんの?」
「見てのとおりプリントの片付けですけど。」
「それってさっき帰った奴らの仕事じゃん」
「別にいいんです。頼まれたので。」
なんなのこの人。いきなり話しかけてきて。わけわかんない。
「お前なんでいっつもほかの奴の仕事してんの?」
「自分が好きでやってるから。」
「いじめられてんの?」
「違います。」
「断りゃいいじゃん。」
手を掴まれて止められてしまった。
「やめて!私の居場所を取らないで!」
わかんないよ、いつもみんなの中心にいるあなたなんかに私の気持ちなんて。
私は知らないうちに涙を流していた。
泣いている私を見て彼はどうしていいのかわからずつっ立っていた。
そうしたら急に抱きしめられた。
「えっ!?」
「泣かれたらどうしていいかわからなくなる。」
優しくて暖かくて余計に涙が出てきた。
「だから泣くなって。あっそうだ俺あんたの名前知らねえんだっけ。俺は中山和輝よろしくな。」
「私は平田悠佳です。ありがとう和輝くんなんか嬉しくて。」
私は自然に笑えてた。自分でもびっくりした。笑ってる私を見て和輝くんも笑ってた。それがとても幸せに感じた。こんな気持ちになるのはいつぶりだろう。
「俺あんたのこと前は弱い奴だと思ってた。それは今でも変わんないけど、居場所づくりのためだったんだよな。なのに辞めればいいとか悠佳にとってはひどいことだったよな。ごめん。」
「そんなことない気にしてくれてるって思えてすごく嬉しかったんだよ。」
「私ずっと和輝くんのことが好きでした。みんなのことちゃんとみててこんな私にも話しかけてくれて本当に嬉しかった。好きです。」
言っちゃった。でも本当の気持ちだから伝えたかった。
「えっまじ!?俺も気になってた。めっちゃ嬉しい。
悠佳、俺と付き合って。」
「うん。抱き合って下さい。」
私の居場所はまだまだ少ない。でも私の居場所をくれた彼とこれからも大切な居場所を見つけられるように。