交換(二人用/男女比1:1)SF純愛風
元ネタは短編にある「余命交換人」より、わたしなりのほのぼの風です
男女の名前は、考えるのが面倒だったから考えてない訳じゃないんだよ!!
♀「ねぇ、別れたいって本気で言っているの?」
♂「うん」
♀「どうしても付き合って下さい。って言って迫ったのに? 」
♂「うん」
♀「必ず好きにさせますって言ったのにね」
♂「そうだね」
♀「そもそも私と一緒に居たくて、登下校も一緒にしたくて同じ高校選んだんでしょ」
♂「……そうだよ」
♀「それで単なる幼馴染だと思っていた、あなた男性として想ったら別れてくれって。本気? 」
♂「だから、何回も言わせんなって」
♀「わたし高校始まって以来の美貌と頭脳持っているって言われてるんだけど? 」
♂「そういう事実は」
♀「あ・り・ま・す!」
♂「あ、はい」
♀「そんなわたしがあなたの別れて欲しいという理由知らないとでも?」
♂「え、まさか」
♀「あなたのお母さんとわたしが仲良いの知ってるでしょ」
♂「おふくろのやつ、しゃっべたのか」
♀「わたしが聞き出したのよ」
♂「……」
♀「別れません」
♂「理由知ってんなら何で」
♀「当たり前でしょう。勝手にあなたがわたしを好きになってわたしがあなたを好きになったら別れるとかありえない」
♂「そっちじゃなくて、俺は30までしか生きられないってきいたんだよ!?」
♀「うん。で?」
♂「で?じゃねぇよ。それまでの間にどうせ別れるんだから今すぐには別れないとかってこと? 」
♀「い・い・え」
♂「じゃ、なんだよ」
♀「だ・か・ら、わたし超絶美少女で天才じゃん」
♂「だから、とはならないし、それ関係ないけどな」
♀「将来は研究者になろうと思います」
♂「そうですか、頑張って下さい」
♀「わたしの余命をあなたに渡す方法を研究するんです」
♂「そんなこと」
♀「やってみないとわかんないじゃん!!あんたなんかに誰が振り向いたと思ってんのよ」
♂「それ今関係ある?」
♀「あ・り・ま・す!!やってみないとわかんないって事だよ。
余命を変えられるかなんて」
♂「そんなこと俺望んでないの、なんで分かんないの」
♀「わたしの望みも分かんないくせに。とにかく決めました。
あ、大丈夫だから。余命をいじるのはわたしとあなただけ。
他の人にこの技術は渡さないもん」
♂「勝手にしてくれ」
♀「はーい、します~~~」
時は流れて
♀「やめる時も健やかなる時もっていうあの「やめるときも」ってやつ、結婚止めるって事、だから離婚のことだと思ってたの」
♂「そんなことある訳ないじゃん」
♀「うん、最近健康を害した時って知った」
♂「世紀の大発明したって自慢していた割に、そんなことも知らないんだ」
♀「わたしは自分の気持ち知ってたからいいもん」
♂「今なら」
♀「ねぇ、もう何年一緒に居ると思っているの?それにわたしがあなたに渡す時間は25年だけ」
♂「平均寿命が80として、だろ」
♀「そう。
30になって事切れちゃうなら、わたしの残りの50年の半分貰って欲しいんだ」
♂「俺に飽きるかもしれないんだぞ」
♀「もう飽きるのすら慣れたもん」
♂「もっと生きたいと思うかもしれないんだぞ」
♀「あなたがいない時間を1人で生きるのは嫌なの」
♂「それに」
♀「わたしが決めたことなの。わたし頑固だって知らないの」
♂「知ってる」
♀「じゃあ、受け取ってよ」
♂「なぁ、そういうことはさ男の俺に言わせてくれない?」
♀「こういうときだけカッコつけちゃって。
いいよ、ふふん。言ってごらんなさい」
♂「愛する人よ、指輪を受け取って下さい」
♀「勿論です。わたしの寿命が入った指輪をあなたも受け取って下さい」
♂「はい。ずっと幸せにします」
♀「当然よね。だってあなたはわたしがずっと好きだったし、これからもずっと好きでいるでしょうから」