イン&アウト(二人用/性別不問)童話風
赤風船(赤)性別不問
青風船(青)性別不問
インプットデブという言葉を覚えたため、その記念です
青風船「赤くん、おかえり。海外に遊びに行ってきたんでしょ。楽しかった? 」
赤風船「青ちゃんただいま。楽しかったから、また僕はこんなに膨らんだんだよ」
青「うん。更にはちきれんばかりって感じだもんね。
わたしはさっきね、磯の香りをたっぷり含む空気を吸ったから、山へ行っておしゃべりしながら吐き出してきたところなの」
赤「君はそうやってすぐに取り込んだ空気を吐き出してくるから、いつも痩せているね」
青「うん。せっかくわたしたち風船は色んな場所に行って、色んな空気を吸えるんだもの。他の場所の景色さんたちにも、他の場所を空気だけでも楽しんでもらいたいじゃん」
赤「そんなのは青ちゃん、君の自己満足じゃないか。だって他の場所から頼まれていないんだろう? 」
青「う、うん。でも結構みんな喜んでくれるんだよ。それにほら!常に少しずつ吐き出しているからわたしは太ってないもん」
赤「青ちゃんは分かっていないな。せっかく大きな滝の飛沫を浴びる空気や、輝くような山に漂う空気、それから雨を纏う美しい景色を沢山吸い込んだんだ。このままで楽しく移動したいじゃないか」
青「わたしはいいの、一度吸い込んだ空気は私に馴染んでくれるから」
赤「僕が取り入れた空気は、僕と馴染んでいるから僕は吐き出さないんだ」
青「わたしにとって馴染まなかった空気は忘れちゃうし、馴染んでもう一度吸い込みたい場所の空気があればまた会いに行っても良いし、どんな時間のどんな景色を吸ったか思い出したっていいし」
赤「随分無駄なことをするんだなぁ」
青「わたしはわたし、赤くんは赤くんの好みで良いじゃない。ただ……取り込み過ぎて破裂だけはしないでね」
赤「僕はそんな愚鈍じゃないから心配しないで。じゃあ次は南へ行こうかな。青ちゃんまたね」
青「またね、赤くん」