道化(二人/男女比1:1)現代風
配役
君子♀
N、優♂
N:30代前後と思われる男女がカウンターに並びお酒を飲んでいる。
優 「君、本当にありがとな。君がいなかったら俺、本当に……うっ」
君子「はいはい、本当にあんたってバカみたいにすぐ泣くんだから。
よく彼女がオッケーしてくれたわね」
優 「そうなんだ。いつもいつも君に頼って。感謝しかないんだけど」
君子「好きな女性が出来た。彼女と喧嘩した。そして、結婚したいって。
毎回毎回バカみたい相談という名の愚痴を聞かされて、
その後のバカみたいな惚気まで、いつもいつも私は聞かされて」
優 「ふえーん。そんなバカバカって言わなくたっていいじゃん」
君子「ふえーんだって。それにさ、事実バカじゃん」
優 「確かに君がいなかったら、プロポーズの了解なんてもらえなかった。
だから、きっとバカなんだろうな」
君子「ばーか、ばーか、ばーか」
優 「きーみー!!そーんなに何度も言わなくて良いじゃん」
君子「はいはい、そこのおバカな優くん。私への報告は終わったでしょ。
さっさと帰ってバカみたいに、いちゃついてなさいよ」
優 「全くもう、君ってばさ。とりあえず支払いは済ませて先に出るから。
君、お前もちゃんといい男みつけろよ」
君子「そうね、あんたみたいに一途に想ってくれる相手見つけるわよ」
優 「……うん、それがいい。俺、応援するからさ。
いつでも相談乗るから。じゃ、また」
N:優、先に店を出る。
君子「本当にバカなのは私」