ストーリー
シナリオコンテスト応募用でした!
シナリオもロボものも不慣れですが、楽しんでいただければ幸いです。
◼︎ストーリー
人類がさまざまな惑星に進出し、暮らすようになって二百年の年月が経過しようとしていた。
中でも惑星スルーズは穏やかな環境と、豊富な資源、かつての故郷地球と似た大気組成など、暮らしやすさから一層力を入れて開拓され、人類はここに新たな故郷を得た。
しかし、そこで得られた安寧はわずかなもので、その資源に目をつけた外敵(宇宙空間にも耐えうる外殻を備えた有機生命体、或いはまたは同じく元地球の民)が攻め込んできた。
スルーズ侵略戦の始まりである。
小型宇宙戦闘機による迎撃により、完全なる侵攻は防げてはいたものの、一部地域の侵略を許してしまう。そんな中、人類はスルーズに眠っていた未知の無機生命体──機巧人を呼び覚ました。
不可思議な機巧人は、ヒューマノイドのような機械生命とも呼ぶべき未知の存在である。彼らは魂の波長が合う人間を見つけると『共鳴』し、絶大な力を発揮する。機巧人は共鳴すると人型ロボットへと姿を変え、己に人間を搭乗させて戦闘を行うことが可能であった。
機巧人と搭乗者により戦況は好転、機巧部隊と呼ばれる彼らは、以後長く続く抗戦において非常に重要な立ち位置にいた。
彼らの活躍は広く知られ、選ばれし守り手に憧れる者も少なくはなかった。
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スルーズの一居住地区ギクボーをはじめとする複数地区に外敵生物が襲来。緊急警報が鳴り響く中、機巧人と搭乗者たちが応戦をしていたが、ギクボーには応援が届いていなかった。
女子高生ミヤは級友と避難中、地滑りした山肌に古い機巧人・ムラクモが埋まっているのを見つけ、これを起動させてしまう。
まばゆい光が瞬いたのち、ミヤは巨大な人型兵器の操縦席に座っていた(バルーン状のスカートのような装甲を持つ機体であるため、通称『女王蜂』)。
機巧部隊など己と関係ないと決め込んでいたミヤは、状況に混乱するも、町や友人、家族を守るため、がむしゃらに機体を操り、なんとか敵を撃退する。
安心したのも束の間のこと、ミヤとムラクモは変身を解いた瞬間に軍により拘束されてしまう。
未登録の機体を操る一般人の少女ということで、詰問を受ける。ミヤも「結果的には町を守ったのにこの仕打ちは何事だ!」と反抗しながらも、睡眠も許されない厳しい詰問に耐えかねて段々と弱気になっていく。
結果的に敵ではないことを認められたミヤとムラクモは軍に入ることを要請される。
疲れ果てていたミヤは、同時に捕縛された友人と家族の身の安全と引き換えに、家や学校から離れてスルーズ防衛軍に入り監視下での生活を承諾する。
ようやく解放されたミヤはムラクモとの対話を試みる。しかし、彼女(少なくても、機体に変化していない時は少女のような姿であった)は無口で無反応であった。ただ、「自分は人間とは違うモノ」「憤りも不満もない。戦うだけ、あなたの眠る揺籠が自分であるというだけ。眠る主人を得られた自分は幸運だ」と告げる。
ミヤは機巧人たちに選ばれたこと、そして未知なる彼らに内心期待していたところもあり、相棒のそっけない様子に落胆する。
食事は可能であることから配給のキャラメルを分けたりもしたが、反応はイマイチであった。ムラクモは非常に淡白でリアリスト、さらに他機体はより人間らしいこともあってミヤの不満は溜まっていく。ムラクモも、戦闘に不必要なことばかり気にするミヤに思うものがあり、二人はしばしばすれ違いからの衝突を繰り返す(──と言っても、ムラクモは言われるがままなので一方的にミヤが言うだけになることが多い)。
喧嘩して、周囲の取りなしやお互いの理解も進んで、少しずつ歩み寄るミヤとムラクモ。
二人は訓練を行う傍ら、他の戦友たちと共同生活を行いながら、機巧人の生態やその戦い方、戦況などを学ぶ。骨董品に近い年代物のムラクモと、それに選ばれたミヤは周囲に注目されていた(半分はうまく息の合わない二人を馬鹿にして、半分はそれでもキラリと光るものを感じて期待して)。
十分な休養と基礎訓練が行われたとして、ミヤたちは小規模な討伐に出ることになる。
先輩の『舞姫』ユリア&機巧人オボロが直属の教育係として、ミヤとムラクモに戦い方を教える。踊り子のような装甲で、踊るように可憐に戦うユリアは、ミヤをサポートしながら才能を引き出していく。
次々に戦闘に駆り出されるミヤは戦うことに麻痺していくのを感じていた。
また戦闘時、幻痛と呼ばれる痛みはあるものの、怪我をしないことに不信感を拭えないミヤは、戦闘後にムラクモが代わりに怪我を負っていることに気がついていた。問い詰めても彼女はそう言うものだと言い切って取り合わなかった。
ムラクモはミヤに心配をかけたくないという気持ちが出てきていた。
ミヤの方も、無感情ながらもミヤを思いやる仕草を見せてくるムラクモに対して、友情を感じていたので、自分にできる方法で元気づけたり、怪我をいたわる。
次第にムラクモも他の機体のような人間のような感情を見せるようになる。ムラクモもミヤを単なる主人ではなく、運命を共に歩く友人として尊重するようになっていた。
度重なる戦闘で付近の敵を殲滅したことで、ミヤ達の部隊は一部区域を奪還。勢いづいた防衛軍は、占領された拠点のひとつであるサガヤー砦の奪還作戦を決めた。
苛烈な戦闘の中、敵中に複数体の機巧人を確認、敵にも類似戦力が存在することを防衛軍が知ることとなる。
彼らと交戦して『女王蜂』ミヤ&ムラクモは苦戦しながらも二体撃墜する。その際、敵方搭乗者の血縁者が現場におり、ミヤは生まれて初めての憎悪を向けられて、命のやり取りを自覚し、ひどく混乱する。ムラクモは緊急退避ののち、変身を強制的に解いて、ミヤを連れてその場を離れた。
敵は投入したての新兵器を潰されて甚大な被害がでたため、防衛軍としても被害が甚大であったため、戦況は一旦膠着となる。
ムラクモに連れられて戻り、騒がしい本部で休んでいたミヤは、◼︎◼︎が戦死したことを聞く。◼︎◼︎は敵隊長と遭遇、これに対応し、大破させるものの、応援が間に合わなかった為にコックピットを貫かれていた。誰も責めることはなかったが、その地点に一番近いところにいたのが、ミヤだったのだ。
衝撃で動けなくなるミヤ。周りの声も聞こえなくなったミヤを、ムラクモが引っ張って外へ連れ出した。「◼︎◼︎(◼︎◼︎の機巧人)が呼んでる」とムラクモに連れられて現場へ戻ると、機巧人◼︎◼︎に包まれて眠る◼︎◼︎が海に沈んでいくところだった。機巧人◼︎◼︎は無言で光る石を投げよこし、そのまま沈んで消えた。
あらゆる攻撃を跳ね返し、伸ばした手すら跳ね除けて、静かな場所へ眠りに落ちるための機巧の揺籠──それが機巧人だったのである。
機巧人も、彼らに乗る人たちも決まって短命だった。
その理由は、機巧人は搭乗者の生命を燃料に動いていたのである。代わりに機巧人は搭乗者の怪我や病気を引き受け、互いの寿命を接続する。搭乗者の生命力が枯渇したのち、己を揺籠としてあらゆる外的エネルギーから搭乗者の遺体を永久に保護し、何処かへと還っていく。己と結びつく魂を得て、彼らを悠久へと運ぶこと──これこそが機巧人の願いであり、信仰であり、戦う理由だった。
事実を知っても、誰も逃げ出すことはなかった。彼らとて、それは感じていたことだったからだ。なにより、先の侵攻で帰る場所を失っていたことも大きい。
敵の正体が、他惑星マルチノに移住し、外敵生物と交配した子孫であることが判明する。敵は事故により汚染された故郷から安寧の地を求めて来ていた。彼らの被害も大きく、侵攻は一時収まる。
比較的平和(小物退治はある)な生活の中、ムラクモが変身できなくなる。最初は楽観視していたものの、敵の侵攻が再開しても治る見込みなく、焦るミヤに「これでミヤが戦わずにすむ、傷つかずに済む」と告げるムラクモは、重ねて「望むなら別の星に行くことも、永遠に二人だけの世界に行くこともできる」と告げる。
機能停止したムラクモは、放置して敵方に囚われても危険である──よって上層部から廃棄対象として認定されかけていた。己が廃棄されることにより、接続しているミヤに影響はあれど、共に危険な目に遭い死んでいくよりは……とムラクモは考えていた。
しかし、ミヤはこれを一蹴して、共に最期まで戦うことを願う。一般兵や◼︎◼︎を始めとする同僚の敵討ち、そして己の大切な世界を守るために手を取り合う。
志を新たにしたムラクモとミヤは、サガヤー砦攻略戦に臨む。仲間のピンチを助けて進むと、前には撃墜した搭乗者の肉親が立ち塞がった。苦戦を強いられる中、コックピットに損傷を負う。気遣うムラクモに心配をかけまいと、痛みを押し殺すミヤだったが、次第に動きが鈍っていく。ムラクモも損傷により思う通りに動けない。
あわや刺し貫かれる、という瞬間に◼︎◼︎の遺品が突如光り、ミヤは複数の搭乗者の幻影を見た。気を失う直前、ムラクモの声に呼び戻されるミヤ。
気がつくと、ムラクモの機体が◼︎◼︎や他の機体の装甲で強化されていたのである。「姉さんの時には何故そうならなかった!」と叫ぶ敵に、ミヤはパワーアップした機体立ち向かう。主要な敵を撃破し、他の仲間の奮闘もあってサガヤー砦を奪還した。
搭乗者は生命が消えゆくほどに五感が研ぎ澄まされていく。ミヤもまた、眠るために耳栓や分厚いアイマスクを必要とするようになっていた。己の灯火が僅かである。長く離れている家族や友人を思いながら、そして己を恨んで消えた敵を思いながら、ミヤはなんとか立ち上がった。
そして、防衛軍はいよいよ全面的に攻勢にでることを決定した。スルーズから敵を排除し、そして惑星付近にいる残党を狩る──討伐成績の良いミヤ&ムラクモは最前線で戦うことを要請される。
スルーズ防衛は友に託し、また会うことを約束してミヤはムラクモに搭乗して飛び立つ。ふと見れば、家族と友人が学校の近くの丘に見えた気がして、絶対にこの街を2度と戦場にしないと誓う。
不安だった大気圏突破も難なくクリアしたミヤとムラクモは、前方に巨大な宇宙船隊を発見する。また、外的生命体も大量に飛びながら、スルーズを目指しているところであった。
敵もまた、地球に派遣した部隊が壊滅的損害を受けたこともあり、総力戦に切り替えてきたところであった。
ミヤは故郷を守るため、ムラクモはミヤの心を守るため、手を取り合って最後の戦いに身を投じる。