1日目
目的地まで2時間かかる電車の中で少しの悲しみ、落ち込み、現実感の無さ、余り何も考えられない。でも怒りが1番強い。
何故娘が、何故私の娘が、何故善良に暮らしている私達の娘が。
それが1番頭の中をぐるぐる廻る。
昔誰かに言われた貴方に降りかかる困難は貴方が乗り越えられると信じて神が下されるとかなんとか。
思い出して怒り。家族を巻き込むな。
病院に到着。
妻は憔悴しきっている。
泣きすぎて瞼が腫れて人相が変わってしまっている。
娘はP ICUという集中治療室にいるらしい。
家族待合室で長い時間待つ。
妻を強引に食事に行かせる。
4時間待つがまだ娘に会えない。
ようやく先生から説明があると案内される。
『脳動静脈奇形』
下された診断の名前。
詳しく説明を受けた。理解出来る。
左半身は麻痺。
先の事を考え麻痺の回復について聞いてしまう。
→まだ命も危険な状態で先は何も分からない。
では命は助かるのか。
→急変しなければ。
ようやく昔はよく娘に会える。
眠っている様に見える。
沢山の、本当に沢山のチューブに繋がれている。
涙が止まらない。
喉が裂けそうに痛い。
目が開いた。
『喉が渇いた』
目が開いて話が出来た!
きっと大丈夫!
でも涙が止まらない。
声をかけ触れる。
大声で泣きたい。泣き叫びたい。
でも堪えるしかない。堪える。
看護師さんにお願いするも今は無理と謝られる。
すぐに眠る。きっと眠っている。
機械から大小のアラーム。無数のチューブ。
でも落ち着いた空気。
信頼出来る。
この病院を見た時から、自動ドアをくぐり入った時から、先生を見た時から信頼出来る気持ちが強くなっていく。
こんな良い病院に搬送されて娘は運が強い!
だから大丈夫!