おばけのくににつれてくぞ
初投稿でポイントを頂いたので、調子に乗って2作目を書きました。コメディの次は童話です。節操はありません。雑食です!オマージュのもとになった絵本に、幼少期トラウマを植え付けられました。というわけで今度は大人にトラウマを押し付けます。
とけいがなります ボン ボン ボン ……
「こんなじかんにおきているのはだれだ。おばけのくにつれてくぞ」
「やったー!お化けさんが来てくれた!」
みっちゃんは大喜び!こんなに嬉しいのはおばあちゃんが天国へ行ってから初めてです。
「ええっと。ボクはお化けなんだけどなあ。おかしいなあ。先輩たちから聞いてたのと違う。子供はみんなお 化けが怖い。だからお化けの国に連れてくぞ、って言えばみんなちゃんと寝てくれる。簡単だから初めてでも大丈夫、って言ってたのに」
みっちゃんはとまどう新米のお化けにお願い事をします。みっちゃんは本当はおしゃべりが苦手。だから一生懸命です。
「あたしをお化けの国に連れてってほしいの。あのね、おばあちゃんがいつもお布団でお化けのご本を読んでくれたの。もう寝る時間だよ。早く寝ないとお化けが迎えに来るよって。それでね、おばあちゃんにぎゅってすると眠れるの。だけどおばあちゃん去年の秋に天国へ行っちゃったの。あのね、天国ってお化けの国なんだって。クラスの子が言ってたの。だからお化けの国に行けば、死んじゃったおばあちゃんにも会えるでしょ。だからお願いするためにお化けさんが来る時間まで起きてたの」
困ってしまい考え込む新米お化け。
「お化けの国に連れて行くのは悪い子だけだよ。それにお化けの国に行ったら、もう帰ってこれないよ。パパとママにも会えなくなるよ」
みっちゃんは頑張ります。いっぱいいっぱいおしゃべりします。
「ママはね。あたしががいないほうが助かるんだって。ママはお仕事がしたいだって。だけど小学校の1年生は3時に下校になるから、ジタンでお仕事しなきゃいけないって。他の人に一杯迷惑かけちゃってるって。いっぱい謝らなきゃいけないって。パパはね、あたしが生まれてきたのは運が悪かったからだって。本当はまだ結婚したくなかったのに、あたしが出来ちゃったから結婚しなきゃいけなくなった。騙されたって言ってた。だからあたしが帰ってこなくなったら、ふたりとも喜ぶよ」
新米お化けは困りました。先輩たちから聞いていた話と違うからです。子供はみんなパパとママが好きだから、会えなくなると言うとみんないい子になると教えてもらったのに。
「うーん。パパとママは良くても、クラスのお友達とか先生にも会えなくなるよ」
みっちゃんはしゃべります。こんなにおしゃべりしたのは。おばあちゃん以外には初めてです。だっておばあちゃん以外にみっちゃんのお話を聞いてくれる人は誰もいませんでしたから。
「クラスの子たちはあたしは何も知らないから、遊びに入らないでって言うの。みっちゃんは保育園にも幼稚園にも行ってないからって。死んだらお化けになるってジョーシキも知らないって。先生はあたしにお友達を作りなさいっていうけど、方法は教えてくれないの。それで隣のクラスの先生に、シューダンコウドウを経験したことがない子供の扱いは難しいって相談してた。だからクラスの子たちも先生もあたしがいないほうが困らないよ」
きっぱり言い切るみっちゃんに、新米お化けは何にも言えることが無くなりました。
「うーん。子供にお化けに国に連れてってほしいって頼まれた時はどうすればいいんだろう。先輩たちに聞いておけば良かった。まあいいや。悪い子はお化けの国に連れてくんだもん。悪い子じゃなくても連れて行って良いよね」
みっちゃんの手を握る新米お化け。
「お化けさんの手はひんやりしてて気持ちがいいね。あたしね。おばあちゃんのお手て以外とは、握手したことなかったの。うれしいなあ」
みっちゃんはお化けの手が冷たいってことすら知らなかったのです。新米お化けは張り切ります。
「みっちゃん、お化けの国に連れていかれた子供はみんなお化けになるんだよ。ボクは先輩だからね。これからみっちゃんが立派なお化けになれるように、色んなことを教えてあげるからね。だからボクの手を離さないでね」
よなかにおきてたわるいこみっちゃん。おばけにてをひかれ、おばけのくにへとんでった。
最期までお読みいただきありがとうございます。嬉しいです。
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