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第八話 【目覚めのやり取り】

「うっ……うわぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁああああああああっ!?」

「おはよう、名倉くん! いい天気だね!!」


 目の前に現れた人物に対する驚きのあまり、僕はベッドから滑り落ちる。


 するとドアの向こうから、猛スピードで階段を駆け上がってくる音がする。


「光ーっ!? すごい悲鳴と音がしたけど、大丈夫!?」


 そう言って木刀を片手に持った蛍姉さんが、ドアを勢いよく開けた。


「ね、姉さん!?」

「えっ、お姉さん!?」


 僕はどこから何をどう説明するか戸惑っている一方、元凶である人物は――――。


「あっ! 名倉くんのお姉さんですか!? 初めまして、私『灯山(とやま) 明里(あかり)』って言います! 名倉くんの唯一無二の大親友で、その、恋人のお嫁さん候補で……あっ! 今のはなしなし! まだ名倉くんからプロポーズどころか、告白もしてもらってないので!!」

「何言ってんの!? そんな予定ないからな!?」


 戸惑う姉さんをよそに、灯山の口は止まる様子は無い。


「えぇー!? 私いぃぃぃぃっっっつも! 名倉くんの愛の告白待ってたのにぃ!」

「はぁ!? 誰がお前にそんなことするか!」

「ひどーい! ねぇ義姉さん聞きました!? 名倉くんってばこんなに可愛い女の子に、恥をかかせようとしてますよ! 私悲しくて泣いちゃいそう、えーん!」

「ひ、光……?」


 そう言って、泣くふりをし始める灯山。僕は必死に、姉さんへ弁解を試みる。


「ね、姉さん! 違うんだこれは……!」

「貴方……さっきからずっと、一人で何をしてるの……?」

「えっ……?」


 姉さんの言葉に、僕は灯山へと首を向ける。

 すると灯山は、コツンと軽く自分の頭を叩くと……。


「そういえば私、幽霊だった☆」


 灯山は「テヘペロ☆」と舌を出しながら、僕にそう返した。


「は……?」


 ――――――そうだ、そうだった……。


「光っ!?」

「名倉くん!?」


 さっきまで近くにいたはずの二人の声が、なんだか遠のく。

 それと同時に、僕は冷静にあることを思い出す。


 ――――――灯山はもう……。




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