5話
「やめた!」
「先生どうしたんです?」
「こんなくだらないことはやめて簡潔に異世界に行く方法を書こう!、それがいい」
「そうなのかはわかりませんが、どうやって異世界に確実にいけるんですか?」
「簡単さ、異世界人に教えてもらえばいい、この世界のな」
「いるんですか?」
「当然だ、妖怪や怪物、幽霊や宇宙人などは異世界の住人なんだよ、だいたい異世界に行きたい人間がなぜ異世界から来る人間を否定する?、異世界人はこの世界に沢山いる」
「そうだったんですか~、それでどうやったらあえるんですか?」
「しらん、自分で考えろ。ただ確実にいえるのは、この世界で頑張れない人間が異世界に行って頑張れる可能性は極めて高いといえる」
「なぜです?」
「この世界において悪とはなんだ?」
「それは悪いことをする、たとえば犯罪を犯すことですかね。」
「じゃあ何かを失敗をするのは、正義か悪か?」
「どっちでもないですかね、失敗なんて誰にでもあることですし」
「そのとおり、しかし大抵は失敗すると非難される。悪いことをしたみたいに」
「その結果、失敗 = 悪 となり失敗が悪いこととされる」
「つまり、失敗した人間 = 悪人 ということさ」
「あたりまえだが、社会は悪を許さない、だから失敗した人間は終わりってこと」
「人はやり直せるのでは?」
「それを可能にするのは、異世界だけだ。現実で大勢の若者が自殺しているのは気づいたのさ、失敗 = 悪 つまり悪人を裁いているのさ」
「もし自殺を止めたいのならば、現実でやり直す方法、つまり希望を与えればいい。希望なし = 絶望がある だから死ぬ、簡単なことさ」
「では希望とはなんですか?」
「それは、人それぞれだ。そのなかには、異世界転生もある」
「という感じで小説を書きたいんだがどうだ?」
「だめですね、そんなの書いたら非難されますよ」
「どうして?」
「この国では、自己責任がすべてです、自殺するのも絶望するのも希望がないのも全部自己責任なんです、それが常識ですよ。だいたい、失敗しなければいいんですよ、つまり失敗を隠蔽したり、他人におしつければいいんです。そうすれば失敗はきえます。競争社会なら他人を落とすのは当然でしょうに。
「そうなの?それがこの輪の国の常識なの?」
「そうです。残念ですが別の小説案を出してください」