依頼のお話1
ミユウは途方に暮れていた、あの理事長からの直々の呼び出しとなると何を吹っかけられるかわかったもんじゃない、せめて楽な物事で済みますように…と仕方ないと思いつつも理事長室まで来ていた
「ミユウ·カザキリです」
「入れ」
ドアを開けるとそこは質素な部屋だった、目の前には来賓用のソファーが2つ真ん中にテーブルが1つ、そしてその奥には理事長専用の机があり、そこには高身長のグラマーな女性が優雅に座っていた、彼女はカークの母で学園の理事長を務めるマーサ·ベッセルだ
「やっと来たか、そんな所にいないでこっちに来い」
「失礼します」
「ふむ…今日呼び出した理由は分かっているか?」
「いえ、まったくわかりません」
「とぼけたやつだ、まぁいい」
「今日お前を呼び出したのは、依頼の件だ」
「えっ」
言われて思い出した、この学園に入学する事になった経緯を
「何を驚いてるんだ?お前がその格好でいる理由なのに
もしかして女で過ごす事に慣れていたのか?」
「何を言ってるんですか!なれる訳ないでしょう!
今だって女子トイレに入るのにとっても恥ずかしいです!」
「ハッハッハ!つまりスカートで居ることには慣れたと?」
「慣れてません!早く依頼から解放されて男に戻りたいですよ…」
そう、ボクもといわたしは今女子制服を来て、この学校に冒険者として依頼を受けている。
事の発端はひと月前まで遡る
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクはミユウ、まだ15歳ではあるが要塞都市エクスブルーの冒険者ギルド、ヴィクトルを拠点にするれっきとしたCランクの中級冒険者だ。
今日もいつも通り依頼を見ていたんだけど、ボクに向かって受付嬢がやってきた
「ミユウさん、おはようございます!」
「ああおはようライナさん、所でどうしてこんな所に?」
彼女は受付嬢のライナさんだ、受付嬢の中でもナンバーワンの人気を誇る受付嬢で、小柄な体に髪色は明るめの茶色で胸辺りで切りそろえられてるセミロング、黄色の瞳で男なら誰でも目を剥く爆乳である、そんな彼女が僕の所に尋ねてきた。
「実はギルドマスターがミユウさんを部屋に連れてこいって言うんですよ、なのでお迎えに来ました!」
「そうゆう事か、で、ボクの所にきたの?」
「そうです、私はミユウさん、いいやミユウちゃんのお姉ちゃんなので!えーい!」
「むぐぐ!?」
いきなり抱きしめられた…のは悪くない、悪くないんだけど胸が、その爆乳で顔が挟まれててやばい、なんだこの物体は…プリンの様にふわふわしてて柔らかい、触ったらさぞかし心地がいいだろう、食べたら美味しいのかな?でもそろそろ息がやばい!
「んぐ!むぐ!(ギブ!ギブ!)」
「あんっ!?そんなにお姉ちゃんのおっぱいが好きなの?しょうがないなぁ、下の子もおっきくなってるし一緒にベットにいく?」
「んぐ!?んんん!!」
「グハッ!?これが女同士のえっち…!オレはもう召されてもいい…!」
「キャー!百合よ!ライナお姉様とミユウちゃんの百合よ!!」
外野が血走った目で2人を見てる、外見美少女のミユウと美女のライナがイチャついてるのはヴィクトルの冒険者達の聖域である、その儚さには並の冒険者では太刀打ち出来ない…じゃなくて早く助けて!?
「こんのバカ娘が!さっさと連れてこいって言っただろう!!」
そこに1人のとてもガタイのいいイカつい男が現れて、ハタキによるスパコーン!!といい音が響いた
「いったーい!何するのお父さん!!」
「何するの、じゃないわ!仕事をお前に頼んだのにどうしてそんなに時間が掛かる、見ろ、お前のせいでうちの冒険者の1部が鼻血で血溜まりの上に倒れてるじゃないか!」
「バカねお父さん、ミユウちゃんとのスキンシップは仕事の何よりも優先されるのよ!」
「お前はアホか!もういいからさっさと受け付けに戻れ」
「分かったわよ…じゃあねミユウちゃん、もしお姉ちゃんとエッチな事したくなったらいつでも言ってね?」
「何言ってるんですか!絶対にいいません!!」
ライナはミユウに小声でそんな事を言って受付に戻っていった、そんな事を言うのは男として我慢出来なくなるから辞めてほしい、あとギルマスの前で言うのは殺されるのでもっと辞めてほしい
「すまないな、いつもうちのバカ娘が」
「いえいえ!気にしなくて大丈夫ですよ!!
それよりギルマスの部屋に行けばいいんですか?」
「ああそうだった、うむ、少し話があるので着いてきてほしい」
ギルマスからのお願いは実質命令なのでついて行く、彼はギルドマスターのヴァロン、今は引退しているがSランク冒険者である
20年前に起きた人と魔物の聖戦である神魔大戦の生き残りで、賢者による大戦の終了後、後進の育成をする為に要塞都市エクスブルーの中で冒険者ギルドヴィクトルを立ち上げた英雄だ、そんな英雄からの話とは一体何なのだろう
「よし着いたな、入るぞ」
ギルマスの部屋に入るとSランク冒険者にしては質素な部屋だ、だけどあちこちに剣が飾ってあるのを見るとあの英雄なのだと実感出来る
「待たせたな、実はお前向けの依頼があってな」
「えっと、それは指名依頼ですか?ボクは実力も並ですし、冒険者としては他にもそこそこいるレベルですよ?」
「いやそうじゃない、指名依頼ではないのだが…この依頼をこなせるのがお前位しか居なくてな、無理に受けようとしなくていいが、話だけでもとりあえず聞いてくれないか?」
「ギルマスがそこまで言うなら…分かりました、教えてくれますか?」