『自由の中で銃構えて十数えたら』
『自由の中で銃構えて十数えたら』
生まれると同時に
静かに動き始めた
命の砂時計
神は私たちの誕生を祝福し
各々に唯一無二の
色で満ちた世界を与えた
青い水は分け隔てなく
全てのものに愛情を注ぎ出し
白い風は軽やかに駆け出しながら
優しい口づけをする
碧い草は温かい眼差しで
儚い想いを包み込み
紅い炎は穏やかに佇みながら
力強く皆を支える
故に私たちは叫ばずにはいられない
嗚呼
この世界は何故こんなにも美しいのだろう!!
嗚呼
この世界に生まれたのはまさに無上の喜びだ!!と
僕はそんな夢を見たかったなぁ……
※
いつまでも止む気配の無い
強かな黒い雨に打たれ
奥底に締まってた始まりの炎は
もう僅かに揺れ動いてるだけ
過ぎてゆく時間に蹂躙され
無数にできた傷口を舐め
痛みに苦しめられながら
生かされてきた日々
記憶の奥深くに眠る
華やかな楽園での生活
呼び覚ました僕の目に浮かぶ
色付けを忘れた涙は
己がために流れるの?
立ち止まる理由を無くした
だから僕は歩いていこう
自由が全て奪われる前に
当然の報いを受け取るために
手のひらに舞い降りた
微笑むことのない
無機質な黒き天使よ
十の災いが通り過ぎた後に
安らかな眠りを
僕に与えたまえ
その見返りとして
僕は世界に色を与えよう
水や風や草や炎では
生み出すことのできない
原初の神聖な輝きを
ああ、見てご覧、赤
『自由の中で銃構えて十数えたら』について
これがこの作品の最後の詩になるのですが、何か特別な意味はありません(苦笑)
この表題はSOUL'd OUTのsickという曲で使われているのですが、初めてこの言葉を聞いた時に思い浮かんだ情景(私は拳銃自殺を想像した)をそのまま書いてみました。
最後まで読んでくださったことに感謝いたします。ありがとうございました。




