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記憶と混濁する私




(いや、やめて、私を責めないで)


暗闇の中で繰り返す言葉は反響し、雑音でしかない私の声


(お母さん、私いい子でしょ?だからもう叩かないで)


(先生、今度の点数もすごくいいでしょ?だからもうカンニングしたなんて言わないで)


(ゆうくん、いつもみたいに殴っていいよ?だからもう別れて)


(さゆり、ゆうくんとは別れるからもう無視しないで)


(クラスのみんな、学校に登校しないからもういじめないで)


疲れた私には、2次元しか無かった。

唯一、そこだけが私を許して楽をさせてくれる

乙女ゲームが好きで、学校を休んでからは毎日やった。

飽きることなく、私を現実から少しでも切り離してくれる世界が必要だった。


平民育ちのヒロインは貴族社会で当たり前のようにいじめを受け、ひどい言葉を浴びせられる

けれど彼女は努力した。

馬鹿にされないように、マナーも作法もどの令嬢にも負けないぐらい頑張ったのだ。

やがて彼女の努力が報われ、王子に見初められる

愛し愛される幸せを噛み締めたヒロインは

周囲からの妬み、嫉みを買い、魔王討伐の任を与えられるのだ。


私はこの乙女ゲームのストーリーが大嫌いで

ヒロインが羨ましかった。

心の弱い私はいつでも逃げ、戦おうとも思わなかった。

努力や頑張りが報われていくヒロインが理不尽な事象に対しても擦り切れない心と笑顔で乗り越えていく様が綺麗で私がこの人だったら良かった、そう何度も思っては繰り返しゲームをやりこんだ。

しかし、暗い部屋の中での幸せは唐突に終わりを告げる。

何が起きて、どうなったのかはまるっきり覚えていない

ノイズがはしるだけの場面が何度も流れてるだけ、ところどころに映る人影は

どこか見知った人のような気がする。

あれは誰なんだろう、そう言えば


私は


一体いつ …死んだ?


(イザベラ、起きて)


誰?、誰の名前?


(イザベラ!!)


また呼ぶの?あなたは誰?

私は、誰?だれだっけ、、、頭の中に直接話しかけてくる少女のような声

聞き覚えがある気がするけど、分からない

でも、ここにいてはいけない出なきゃ

出るって、どうやって


(イザベラ!死んじゃダメ!!!起きて!)


また、この声

あ、そっか私は









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