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名も知らぬものに
足元に咲く
花の名を
わたしは知らない
小さな 小さな
その花は
いつも見ていたはずなのに
わたしは今日
はじめて
その花の美しさに
気づいた
庭先に顔を出す
見知らぬ猫よ
お前は
我がもの顔で
古びた椅子に
寝そべっている
そんなお前のぬくもりに
わたしは今日
はじめて触れる
うつむいて入った
一軒のコンビニ
沈んだ気持ちで
買い物をするわたし
でも
レジへ向かえば
「ありがとうございます」
と、温かな言葉で
送り出される
そのひとことが胸に染み
名も知らぬものへの
ぬくもりに
生きる辛さが
少しだけ楽になる