探検
次の日……アロンは昼頃に家を出て薬草を取りに行った。薬草は岩場を少し越えて行った所にある森の少し奥の方に生えている。アロンはこの場所には何度も来ていたが、さらに奥には行ったことがなかった…。だから薬草を取り終わったあと奥に進んでみることにした……
奥に進んでいくとアロンの鼻が微かな香りをとらえた
-アロン[……なんだろう……この香りは……微かだけど……不思議な匂いだ……]
匂いを辿ってさらに奥に行くと微かだった香りが強くなってきた
-アロン[……この香りはどこからきているんだろう……]
アロンはかなり奥まできていたが、気付かない……不思議な香りに惑わされているのだ……
一心に香りを辿っていた……
…………………………
-アロン[……?]
ふと、目の前をピンク色の小さいものが物が通り過ぎた……いや、通り過ぎたというよりは舞っていた、というべきか……
アロンがハッとして回りを見ると知らない場所にいた
森の影すら見えない……回りに舞っていたピンク色の小さな物……それは1本の木から落ちた物だった……
これは桜の木で、舞っているのは桜の花びらなのだが……アロンは桜を知らなかった
ただ、綺麗だと思うのと、体がフワフワしたような……不思議な感覚と混じっていて思考があまりまとまっていないようである…
ふらふらとその桜の樹に吸い寄せられるかのように向かい、桜の樹に近付いた……