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第8話 家に帰ろう。

アハハ、と嬉しそうに笑いながら握手した手を上下にブンブンとふるアルに状況をうまく理解出来ず、目を丸くしたハル。

端から見ればどこまでもシュールな光景だ。


「どうして…?」

ハルが呟く。

「ん?何が?」

本当に何がかが解らないアルが聞く。

「どうして僕を嫌わないんですか?

僕は敵に育てられてたんですよ……

危険思想のテロリストに…もしかしたら敵討ちで部隊を内部から壊そうとしてるかもしれないんですよ?」

いっそのこと隠さずに嫌ってほしい。

そう思い震える声でハルが尋ねる。


「おっちゃんが言ってたよ、『陽菜は優しい子だ。』ってさ、

それに昔なんて知んないし、今君は仲間だ。

俺が君を、嫌う理由が何処にある?」

アル笑いながらはハルをビシッと指さして答え、

自分のカップに6杯目のコーヒーを、

空になっていたハルのカップにも2杯目を注いだ。

「さ、長話して疲れたっしょ、これ飲んで出発しよう。

通信機壊れてるから家に連絡してなかったし、早く戻らないと俺たちの葬式が始まっちゃうよ。」


「えっ!?そうなんで

「まぁ冗談だけど。あ、あと任務地で話した時から言おう言おうと思ってたけど、出来るだけ敬語は辞めてね。」

戦場が職場の人たちには笑えない冗談をとばし、相変わらずの笑顔でアルが言った。

「はい!」

アルの笑顔が移ったような嬉しそうな笑顔でハルが言った

「こら」

「あ、すみませ…や、違う。ごめんなさい。」

「ん〜…まぁよし」


木陰からオフロードバイクが走り出した。

それに乗っていた2人は、戦場の悲しみを払い除けるような明るい笑顔をしていた。

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