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第60話 ファーム

「ハル、こちら和秋。歩くの速いよ、アルと離れ過ぎ、ちょっと止まって。」


上から敵の位置を知らせていた和秋がハルの異変に気づき無線で呼びかけた


「あ、ごめん。」


無線を受けてやっと自分がアルを置き去りにしつつある事に気づき足を止め、アルが追いつくのを待った。


「ハル君、速い、危ない、疲れた、」


中腰で足場のよくない塹壕の中を急いで歩いたアルは少しあがった息で途切れ途切れに喋る。


「すみません。ちょっと…なんて言うか…すみません…」


「いいよいいよ。けどこれからは落ち着いてね」


バツが悪そうに言葉を濁すハルにアルが軽く笑いながら言った時、無線から和秋の声がながれた。


「ちょっと黙って!!目標接近!1つ奥の塹壕に2人来た、もし次の角曲がったら接触するよ。急いで準備して!」


「マジか!?了解」

「了解」


通信を受けた2人は急いで曲がり角の出口に、左右にわかれて張り付き、アルは右股に付けたシースから刃渡り15cm程のコンバットナイフを抜き取り右手で逆手に、ハルは出発前に玄慈に渡された小太刀の様な刀を右手で握り、構えた。いつ来ても対応出来る体制を作って待っていたがなかなか敵が来ない、その代わりに、声が風に乗って流れて来た。



「…なぁ新入り」


「んー?なんだ新入り」


「どうして見回りなんかしなくちゃなんないんだ?バカ野郎」


「そりゃお前敵が来たらダメだからだろ、バカ野郎」


「……敵が来た事って今まであったのか?キチンとショボく偽装してんのに」


「記録によるとない」


「なぁ…どうして毎日見回りなんかしなくちゃなんないんだ?」


「そりゃお前敵がいつ感づいて来るか分からないからだろ、地下の『ファーム』が見つかってみろよ、やべーだろ?」


「あー『ファーム』はヤバいな、そっか…じゃあ結構重要な仕事なんだな」


「あぁそうだ、分かったらしっかり見回って早く中帰って一服しよう。」


「そうだな」


立ち止まっての会話が終わり、ようやく見回りを再開した2人の兵士風の男達が1本奥の塹壕に入るため曲がり角を曲がった。

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