第49話 着陸と発砲音
「皆、降りるよ。これ以上近づいたらバレる。てゆーか森に入って降りれなくなる」
「あぁ、わかった。」
短い会話を交して徐々に高度を下げる。遠くの森にカモフラージュされた建物が見えた。
「分かってたけど結構遠くに降りるんだね……」
「それはしょうがないわよ、それよりアル、着陸したらコレ染赤に被せてね」
「カモフラ?」
「そう、念のためにね。急だったからただのグリーンシートだけど、無いよりマシだしね」
「おーい、もう着陸するよ、低高度だったからいつもより早いよー、舌噛むから喋らないようにね……3…2…1……タッチダウン………はい止まった。基地に連絡入れるから先降りてて」
「了解」
葵以外の全員が染赤から降りてカモフラージュ用のシートを準備しだした。
「終わったよ、シート被せて」
連絡を終えた葵がステップを降りながら言った。
「あいよ、俺が上登るから投げてくれ」
「わかった」
勇護は染赤に梯を立掛け、登る。アルは畳んだままのシートを勇護に投げた。勇護はシートを開げると端を持って下に居たアルとハルに投げ落とした。それを広げて固定するまでに1分とかからなかった。
「おー、やっぱり速いね特殊部隊。」
「んなこたぁいいから、バイクは?」
「今から出すよ、ハル君手伝って?」
「あ、はい」
任務地に向かう為の足を用意するために葵に駆け寄るハルを心配気に見送る和秋、少し迷って自分もバイクを出しに行くコトに決めた。その時、乾いた発砲音が辺りに響いた。