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第42話 ギッシリ詰まった食器棚

アルと和秋が錯乱した勇護に戸惑っている頃、キッチンでは平和な時間が流れていた。


「ねーハル君、このお皿オシャレじゃない?」


「そうですね、シンプルだけど上品な感じがします。」


食器棚の中に必要以上に大量に収まっている皿の中からモモは使う皿を、瞳を輝かせながら選んでいる。ハルは話かけられる度に微笑みながら自分の意見を言っていた。


「………ねぇハル君?今さらだけどさっきからずっと敬語だねぇ?」


「あ、すみま…っと……ごめん、モモさん。まだ馴れなくて」


「よし、けどさぁ……さん付けも嫌なんだよねぇ…それもどうにかなんない?」


「いや…流石に呼び捨てにするわけにもいかないし…」


ハルは少し困った顔で言葉を濁す。


「じゃあさ、さん付け以外で好きなのでいいよ。…あ、ちょい待ち……ねぇ…変な声しない?」


モモはリビングでの騒ぎ声に気付き眉をひそめた。


「…あ、ホントだ、なんだろ?」


「行ってみよ、ハル君、コップ頼める?」


「うん」


2人はリビングに小走りで向かう。




「ねぇ変な音したけど、どうしたの?」


「なんか厳罰がどうとか聞こえたけど……」


リビングでの騒がしい声にハルとモモは首を傾げながらキッチンから出てきて、部屋を出ていく前と変わっていた3人の位置にさらに首を傾げた。ハルの手にはコップが5つ、両手で挟むように少しムリをして持たれ、モモの手には皿とフォークが5つ持たれていた。その極日常的な姿で先程リビングで起こった騒ぎとは全く関係の無い所に居た事がよくわかる。

アルは呆れたように頭を左右に振りながらどう説明したものかと言葉を詰まらせた。


「あぁ…モモにハル君……いやね……親父が…何て言うかその…錯乱して……」


うつ向いて目を閉じ、十数秒じっくりと考えた後、やっとそう言うとアルはソファーに倒れたままの勇護をちらりと見た。


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