第4話 連絡
気まずい雰囲気で次の狙撃ポイントまで歩いていると……
ピリピリピリ。
2人の通信機極小さな音で同時になった。
反射的に肩の位置にあった通信機に手をかけ応答する。
『帰還を命じる!今すぐ戻ってこい、お前達を失う訳にはいかん!!!北の門を出てなるべく離れろ!!!』
通信機から部隊長の
「おっちゃん」の声が響く。
「了解」
アルはすぐに反応し、ライフルを肩に担ぎ
ピストルを腰のホルスターから抜いた。
「ハル君、帰るよ。」
兄が弟に声をかけるように
極自然に呼んでポカンとしていたハルの手をとって走り出した。
「何があったんですか!?」
「さ〜ね〜、けどおっちゃんがあんなに焦るからには結構ヤバいかなぁ?とにかく逃げるよ、後ろ乗って!」
ビルの外には隠すようにバイクが置いてあった。
マフラーには見慣れない装置がついている。
「なんですかそれ?」
「最新のサイレンサー、バイクで隠密行動が出来るくらい静かに走れるんだ。
速度は出ないけど、そういやハル君はヘリからのリペリング降下班だから知らないんだろうね。」
アルはそういうとピストルをバイクにむけマフラーについていた装置を器用に撃ちおとし、エンジンをかけた。
爆音が辺りに響き渡る。
「いいんですか!?」
後部座席にのったハルがエンジン音にまけない用に叫んだ。
「備品の破壊も音も緊急事態だから問題無いよ。いくぞ、」
アルは北門に向かって最大速度でバイクを走らせた。