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第35話 仲のいい兄弟

ハルは自分を手招きで呼んだ女性の約1m手前まで歩いた。


「なんですか?―――ッ!!??」


「かっわい〜!!!ね、ハル君!今回の任務終わったらお姉さんの部屋来ない!?てゆうか来なさい!!」


葵は少し間合いを詰めてハルの両肩を手で力強く掴み瞳をキラキラさせながら自分の身になにが起こったのか理解出来ないでいるハルに早口でまくしたてた。


「待てこの色魔」


明らかな侮蔑を込め今まで静かに成り行きを見ていた和秋が口を開いた。口調も普段と違い幾らか厳しい。


「あ、和秋だ。居たの?でさ、姉にむかってなによ、色魔って」


今まで気が付かなかったという風にわざとらしくキョトンとした表情をつくる。


「そのままの意味。とりあえずその手を離しなさい。」


それを全く気にせず肩を掴む手を指差す。


「いいじゃん別に、なに?ヤキモチ?ここんとこ一緒にお風呂入ってあげて無いから?」


気分を害した、と言うような顔で和秋を睨みつけ挑発する。


「違う!!そもそも物心ついてからは無理矢理………いいから早く任務地まで連れてってよ。急ぎの任務って知ってるでしょ?」


挑発に一瞬乗ってしまったもののその後冷静に仕事の話を持ち出す。


「はいはい、わかりましたよ〜だ、じゃあ乗って、早く早く。あ、食べ物はいつものトコね。あ、そうだー!ハル君荷物運び手伝って!!」


「待て、姉ちゃんさっき自分で荷物も積み終わったって言ってただろ。」 


ステップに足を掛けて和秋が言う。


「――……チッ!」


その言葉にあからさまな舌打ちをしてから


「ハル君、もう乗っていいよ。」 

そう言うと自分もステップに向かって歩いた。


「……仲がいいんですね。」


後ろからハルが声をかける。その声に葵は


「まぁね」


と振り返って嬉しそうに笑いながら答えた。そして『染赤』に乗る前に

「任務終わったら私の部屋に来ること、検討しといて。」と小声でつげ、ハルは苦笑いで返した。


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