第31話 タカが任務を知らせに来たよ
「ハルくん、窓開けたげて。任務かもしんない…あ、ちなみにその子、昨日の爆発から救ってくれた命の恩人の兄弟だよ。ウキタケって名前」
アルはため息をつきながら椅子に座り、窓に一番近い位置に居たハルに窓を開けるように頼む。
「――………あ、はい!わかりました!!……えっ!?命の恩人の…兄弟!?えっ……鳥!?」
半ば放心状態だったハルは混乱した後に慌てて窓の鍵を外して窓を開けた。窓枠の外側には紐が吊りさげられていて、その紐を辿ると小さな鐘が取り付けられていた。
「クウェ〜」
『うーちゃん』と呼ばれたタカは大型の鳥とは思えない可愛い鳴き声で感謝の意を示す様に鳴いた。のだが、ハルは開いた窓の隙間から入って来た大型の鳥に少し身を引いた。
「おいで、うーちゃん。」
モモが鷹に声をかけると鷹は大きな翼を広げて机まで飛び、ハルの椅子の背にとまった。
その足からアルが結ばれていた紙をほどいて開けた。
「なんて書いてあるんですか?」
混乱から幾分立ち直ったハルが聞く。
「明日の朝5時に梓、陽菜、百恵、和秋の4人は本部長室に集合。詳しい説明は移動中に。だってさ、皆昨日の任務の事後処理で出払ってるのかな………あ〜ぁ、練習はお預けか…」
「私も出動かぁ…結構久し振りだなぁ、どんな任務だろ?」
「和秋がいるし待ち伏せとか争闘作戦とか長時間系じゃない?」
「4人で争闘作戦はツラいなぁ…」
「梓さんって誰ですか?本部長に貰ったプロフィールに梓さんて人いましたっけ?和秋さんは後方支援の人ですよね?」
窓を閉めたハルはゆっくりと椅子に向かって近づいて行く。その時のモモは呆れた顔をアルに向けていた。