第13話 医務室で
目を覚ましたハルの寝惚けた耳に聞きなれない声が聞こえた。
「ね、モモ。お姉ちゃんさっきふと思ったんだけどね、若いね!!最近の隊員はどうしたんだろうね!!」
「いや知らないよ。てかココにいる隊員がお姉ちゃんより若いだけじゃない、いぃじゃん別に。」
「よくないよ〜、このままだと私その内『長老』とか言われるよ!?いいの!?愛する姉が長老でもいいの!?」
「愛してないし、お姉ちゃんより歳取ってる人いっぱい居るし。けどいいじゃない。長老、カッコいいよ。長老」
「長老違う!皆に聞かれたらどうすんの!!アルは熟睡(気絶)してるけどそろそろハル君が起きるんじゃな……」
「………おはようございます、長老。」
寝惚けたハルはいきなり地雷を踏んだ。
「……………」気まずい沈黙の後でモモが一人、笑いを堪えていた。
一方頭が徐々に覚醒してきたハルはだんだん焦ってきた。
『……なんだろうこの沈黙は…僕はさっきなんていったっけ?
長老?
誰が?
もしかして渚さんに?
……あ、正解っぽい………ドウシヨウ、顔に出してないけど怒ってる、凄い怒ってる、メッチャ怒ってる……背後に何か見える。
………謝ろう、そうだ、全力で謝ればまだ間に合う!!!希望を捨てちゃダメだ!!!!』
「あの!!渚さん!!すみませんでした!!!僕、その…ちょっと寝惚けてて」
「ハル君、お腹減ったでしょぉ?これぇ食べてみてぇ?」
妙にまとわりつく様な猫撫で声でそういうと部屋の端にあった冷蔵庫からラップのかけられたケーキとフォークを取り出した。
その時少女が笑いを堪えるのをやめて驚いた顔をしていた事にハルは気付かなかった。