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第12話 医務室で



「あら、陽菜君じゃない、……もしかしてその若さで3P!?さすがにお姉さんそれはトメルよ?」


「アルおろして、」

「あぃ」


アルの腕からトンッと降りたモモが女性に向かってスタスタと歩き、目の前で止まって耳元で囁いた。


「あ〜…なんだか頭がいたいなぁ…お姉ちゃんが変なこと言ったせいかなぁ…このままだとボーッとしてつまずいてお酒の棚に突っ込んじゃいそう…」


「さぁ治療を始めるわよ!!陽菜君ね!?早くベッドに寝かして、早く!お願いだから!!」

女性はかなり焦って準備を始め、少女はアルに向かって笑いかけた。


「アル、あなたもよ。」

「いや、今回は曇ってたから問題ないよ。」

「帰り道はかなり太陽が照ってたハズだけど?てかいいから座れ。」

「そういえばカケルは?」

「出かけてる。そんなんで話題がそらせると思ってんのか、いいから座れ。」

「…はい」


女性は手に持った怪しい色の液体が入った注射器をアルの腕に突き刺した。




 

「いや〜、けど毎度毎度凄いね、狙撃手とはいえ擦り傷もないんだもんねぇ。」

嬉しそうに言う女性に

「……体がダルい、」

恨めしそうにアルが言った。

「私のせいじゃないよ。寝たら治るからさっさと寝ちゃいなよ。」 

「姐さんとモモがいる所で寝るの怖がフゥ」

腹部を二人に強打されたアルが情けなく倒れた。気を失う前に最後の力で

「血筋の問題ですか………?」

とだけ言って。

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