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第十二話

「プラハッタには……そう、ですね。感謝しておくべきだと、私は思います」

 小さな卓上に、細長い木の箱。布は幾重にも巻かれて、不可思議な紋様がそれを取り巻き。アリュブーが優しく手を添える。

 窓から差し込む月明かりは月光石よりなお淡く見えても。確かに室内を照らして、街並みを浮かび上がらせ。寝台に横たわる優馬の心を多少なりとも、慰めてくれるようだった。

 ここはイドラの上町。

 上には星空。下には町並み。西の果てに沈む太陽。

 楼閣や塔、背高な建物は競うように立ち並び。ところどころ長く濃い影を落として、それでもなお暮らしの灯は明るく。夜の民は階下から上り来て、夜にこそ行き交う人々と共に喧騒を享受している。数多の地がそうであるように町は眠りを知らず。この駅舎宿の一室からでも、生活の有様を見通すことが出来た。

 あれからあったことを、優馬は詳しく覚えていない。

 体は憔悴して言うことをきかず。遠い耳は人々の会話を拾えずにいて。気がつけば、この部屋にいたという具合だ。

 アリュブーが来てから説明してくれたことには、怪我と体力を一先ず回復させてから出発するということで。予定よりも若干遅くなるらしい。

 優馬としても、そのことはありがたかった。耳も以前と同じく聞こえているか自信はなかったし。肩もまだ傷んで、上半身に気がかりなところが多すぎる。不安は取り除かれて多少なりとも穏やかな旅路になる以上、車窓の景色を満喫できる程度には心身を落ち着けたくもあった。

 不安、といえば。既に過ぎたことだが。

「変わらないままで、済んだでしょう?」

 結局、プラハッタが甲虫人を貫くことはなかった。大きく息を吸い込んでおきながら、ただ吐き出すだけで叫びはなく。ジンセイが持つそもそもの切れ味と、優馬の全体重分だけ痛みはあっただろうものの。甲殻に浅く刺さって止まり、命を奪うまでは至らずに済んでいる。

 衝撃によるものか。精神の自主的な保護か。いずれにせよ甲虫人は気絶にとどまり。一応の証言者を得て、優馬は手をあまり汚すことなく窮地を脱することが出来たというわけだ。

「ええ、まあ」

「納得行きませんか?」

「俺は、殺すつもりでやりましたから」

「素人にしては見事な手並みだったとか。話は伺っています。意志の強さは賞賛に値するでしょうね」

「今がその時だと思って、とにかくそれしか思い浮かばなかった。でも、ああ。今になって……少し、収まってきたかも」

 ドワーフは、死んだ。

 ゼナストが片腕だけとはいえ、身長より高い場所から渾身の力で地面へと叩きつけたのだからそうもなる。首は折れて、頭は弾け。即死だったらしい。

 戦い終わり、仲間の息遣いがあるだけの中、優馬がそれを見た時心の中を過ぎったのは。このようにさせられなかったふがいなさと、そうはならなかったことへの安堵だったのは、彼の記憶にも新しい。

 肩とともについた心の微かな傷は癒えて、顔を覗かせた本能はあるべき形に納まり。屍を眺める理想と、安堵する今の現実は、果たしてどちらが真に望んだものだったか。それすらも隠れてしまったが。

 少なくとも今、殺さずに済んで安心しているのは確かなこと。一先ず、それが本心であると優馬は思うことにした。

「昂った時に現れるのが真相か、それとも熱に浮かされたまやかしか。私にも見当はつきませんけれど。生きているのなら、取り返しがつかない状態ではない。そういう意味では、理想的な結末でしたね」

 確かにそうだと優馬は思う。

 紛れもなく自身は剣を振るい、致命の一撃を加えようとしたけれど。届かなかったことは幸いだと今にして心から。世界が変わっても、この世界のものになっても、根本的な部分は同じままで済み。危うい一線の瀬戸際で握っていた手が引き止めてくれたことは、間違いなく感謝すべきことに違いない。

 あれで、自分の手が汚れなかったとは言わない。深く汚れても居ない。この二つの間に聳える死という壁。あの時飛び越えていたものは、今思えばなんと高く。そしてそれを飛び越えるとはと、自分の内側で育っていたものに恐れを抱いた。

「本当に、そう思う。ありがとうプラハッタ」

「うん? うん。へへへっ。私としても、古い友達の友達に重荷は背負わせたくなかったからね。あっちの方じゃ、殺しなんてそうそうあるもんじゃないんだろ?」

「まあ、ね。でも友達の友達って……アリュブー、えっと、博士とは友達っていうか」

「ああいや。そうじゃないね。私が言う友達って、勇のことさ。天池 勇。あんたの幼馴染の」

 優馬の目が、驚きに丸くなった。修羅場の後、修羅場の相棒からこぼれた思いがけない名前。戦いの中では忘れていた日常の象徴立ち。

 ふと、アリュブーの視線が鋭くなた。

「勇、の……? ああ、プラハッタって」

「おうとも。勇のことは大分世話して……色々あったりしたもんさ」

 じろりとアリュブーの単眼が木箱を睨んで、一瞬プラハッタの言葉が淀んだ。声色に陰りはない。ただ逡巡から抜けだした後のような、少し疲れた風合いを帯び。

「例えば、どんな?」

「ふむ……一緒に旅したり、とか」

「今の俺達にみたいに?」

「いいや、もっと違う体でね。結局、アタシはこんな体になったわけだけど」

「ああ」

 聞かないほうがいいだろうか。しかし勇と、幼からの友人と同行した仲間がこうなっているのは、どうしても気になる。

 連想するのは容易い。だけども確かめることは困難だ。主に自身の心的要因で喉は引きつる。

 そうしてまごついている間に、プラハッタが話を進めた。

「あと、悠輝と、紗由も、古い友達に入るのかな。いや、悠輝の方はよく知らないね。紗由は知ってるんだけど」

「あっ、はは。なんかわかる。悠輝は結構ビビリだし、紗由はとにかく勇にくっついてたから。やっぱりそういうふうになっちゃうか」

 懐かしい。

 いや、懐かしいはずのない名前を、懐かしいと思えるとは。

 残る幼馴染連中の名前も聞こえて、起こった内心の変化に戸惑う。隔てること僅かに十日弱。のはずだ。二百年の感覚など知るはずもないからわからないが、まるでそれほどにも別れていたような。

 本当にどこか、遠いところへ行ってしまったような。

 比喩でなく、事実遠く隔てられているとはいえ。あまりに奇妙な感覚に思えた。

「……皆、栄治以外は、もういないのかな」

 多分、そこに理由があると。思い至った結論に少しうつむく。

 栄治は今に至るまで生きれるような状態になったというが、他の三人はそうとも限らない。これまで聞いて来なかったことを尋ねてみることにする。

「そうだね。あとはもう、栄治くらいさ。作形に居た人全ての中で、子孫を除けばただ一人」

「勇と紗由の、悠輝の子孫は?」

「……いない、と思う」

「思う?」

「アタシだって全部知ってるわけじゃない。ひょっとしたら、栄治みたくこっちのと子孫残してるかもしれないし」

 アリュブーの顔を見ても、優馬が望む答えは得られそうになかった。栄治がアリュブーと子孫をもうけたことは確かだが、アリュブーも他の三人がどうかまでは知らないと見える。

 しかし勇と紗由に子孫が居ない。あの二人なら残しそうなものだが、それすらもないとは。

「んまっ。実際、ついてから色々見てみるといい。栄治なら……色々話してくれるだろうしね」

 アリュブーが席を立ち、木箱を小脇に抱えた。時計の針は眠るのに十分な時間を示している。でなくとも、アリュブーにはアリュブーの仕事があり、その刻限でもまたあるらしい。

 そういえば、体はそれなりに疲れている。本能的な部分を使いすぎて、体がずっと警戒を維持していたせいだ。

 それらを休めるのにはいい頃合いだろう。

「では、優馬さん。まずはゆっくりと。あなたの夢が良いものであるよう、励ませますように」

「ああ。それじゃあ」

 扉が開く音を聞き届けるまでもなく。掛布を胸上まで引き寄せて寝転ぶと、途端に不安な静寂が押し寄せてくる。町の喧騒は所詮想像の産物に過ぎず、実際のそれはここから遠くて響かない。

 音の無い世界で、上手く気が紛らわされていることに気がついた。自分の心のことから古くからの友人達へ。友人達のその後も気になるけれど、鬱屈した気分から少しでも抜け出たことのほうが大きく。あえて思い出そうとしても既に雲を掴むようになっていて取り戻すことは出来そうにない。とても平静な心。

 眠るのにはいいか。

 月明かり明るく、それは気になったが体を起こす気にもなれず。カーテンは開けたまま目を閉じようとした時。

 不意に、視界の端から人影が滑りこんできた。

「っ! ……君は」

 刺客。ではない。

 ここ最近ですっかり見慣れてしまった、ゴブリンの女学生だった。

 アリュブーが出て行くのと入れ違いに来たのだろう。順当に行けば今晩が彼女の当番だったのは間違いないが。まさか、来るとは優馬も思っては居なかった。

 いや、あんな事があったからこそ、来て欲しかったのはある。あまりにも心細かったし。自分で身の回りのことをするのは億劫過ぎて、ますます体調を悪くしていただろう。

 あとは。

「びっくりした……とりあえず、こっちに」

 招かれるまま女学生は近づき、優馬を覗き込める位置に立ち止まり、小さな体を疲れた体へ寄せてくる。人間で言うなら大人と子供の中間のような顔に、額から生えた一本の角。可愛らしい見た目はどこまでが彼女をゴブリンたらしめているのか、興味は尽きない。

 だけど今はもっと別の。下世話なことが気になる。

「じゃあ、脱いで」

 命の危機はとりわけ繁殖力を刺激し、下腹部に力を渦巻かせた。

 この世に自分の分身を残そうとする欲求。生物としての有様。精神を凌駕する肉体の訴え。

 行き場が欲しかった。

 蓄えられた力の行き場が。追い詰められた精神の置き場が。

 そして、全てを解放した後の泥のような眠りが欲しかった。




 昨夜のことはよく覚えていないが、小さい体へ無理をさせすぎだろうかという懸念を持ったのは残っている。

 あとは、各所で感じた鮮烈さの写真めいた記憶。

 幼な姿ながらに技術は達者で、それまで相手をしてもらった三人に勝るとも劣らず。優馬も相応に燃え上がってしまった。それでもって、体格のだいぶ異なる相手には性別というものを根本的には感じていなかった事に気づいたりもしたが。今回ばかりは、しっかりと女を感じさせられたものだ。

 事に及ぶ前まで記憶をなぞれば、内容は覚えても感情がしっかりぼやけていることに苦笑する。

 きちんと心の面でケアされているのはありがたいが。効果の程に驚いてしまうのは、まだ経験が少ない故の愛嬌というものだろう。

 そういえば、彼女たちが自分と褥を共にするのはなんでだったか。確かそう、心を軽くするという目的のためだったはず。優馬の記憶にはそう残っている。しかし。

 今考えてみると、あまり腑に落ちない。

 なんでも異界人が下手に感情を高ぶらせると大変らしいが、それは馴化する前のことだったはず。あれは、馴化を済ませた直後のことだったはずだ。あれから何度か大きく感情がうねり、何事も無く過ぎてきた。やはり馴化を済ませてしまえば危険性は失われる。

 ただの善意。

 こちらの世界の倫理観で言えば、ありえないことではないかもしれない。けれども優馬が長年培ってきた価値観は、それで判断するのを危険だと言っている。必ずや何かある。いくら性的に自由が効く環境とは言えども、やはりただの善意でなんて言うのは考えづらい。

 ふと、思い出した。

 あのドワーフ。正確には、属しているらしいいずれかの、いずれの組織も。それなりの理由があって純粋な人間を狙っていたわけだけれども。星霊学団だって、そういうものがないとは言い切れないはず。もし、女を抱かせるのもその一端だとすれば。

「遺伝子の確保……?」

 イドラ発、ラウナル大温泉湖行き列車、『絹衣六号』は眺め良く。川向うの東の果てに山脈を置いた風景は、その答えに到らせるのに十分な平坦さを持っていた。

 既に船を阻む大瀑布、ローバスツライムは遙か後方。斜面から望む分岐した段瀑は、勇壮この上なしと目を奪い楽しませてくれたものだった。

 高さ三百メートルに対し、奥行き四百メートル。全体を見ての角度は緩やかで、その実は大きさそのものにより流れ激しく。隠すことなき力強さからの雄叫びは、大気を痺れさせて優馬の聴覚深くまで染み入らせたものだ。

 それとて今は過去のこと。

 景勝地を過ぎてよりは緑が緩やかな下り坂を描くばかりとなり。山脈も遥々北から南へ、同じような高さの山を連ねるばかりとなっては、思索に耽る余裕も生まれてくるというもの。

 敢えて言えば、退屈な時間。

 行き着いた答えが正しいのかどうか、優馬はアリュブーを盗み見た。

『絹衣六号』は星霊学団の要人用車両。他の車両も空いているはずなのに、彼女は何故かここにいる。まだ全治とは行かぬツェーベルやゼナストに、優馬の具合を見るという理由は思いつくが、責任を感じてのことなのだろうか。安全と思われたフロアがあの惨状になっては、無理もないこととは思えた。

 そんな彼女の様子は、黙々と書類仕事をこなすばかりで変化もなく。今の呟きが聞こえた様子もない。姦しい女学生たちは別車両にいて、施された防音で列車の走行音も殆ど聞こえず、ツェーベルとゼナストも静かにしている。

 聞こえただろうかと杞憂。杞憂?

 それは違うように思えた。振り返ってみれば優馬自身、今の呟きはどこか聞こえることを期待して漏らしていた。

 答えて欲しかったのだ。自分の人生に直接関わることではないにせよ、人として気になる。一度たりとて目にしないだろう子供であっても、自分の子供に不幸が待ち構えるようなら放ってはおけない。そもそも子供を作ることが目的だったのかさえも定かではないのだから。

「アリュブー」

 思い切って声をかける。

 そうと決まれば、躊躇いはない。色々と体を苛むものもあって、悩んだりなどまどろっこしい事に気を使う余裕がないのも、きっと後押ししているだろう。彼女はまだ書類仕事に追われているようだったが、声をかける段には既に記憶から失われていた。

 じろりと、単眼が上目遣いに優馬を見た。少しして、俯いていた頭があがる。ほんの少し体を伸ばした後に落ち着くとペンが置かれ。体は椅子にもたれかかる。

「ええ、そうです」

 前フリのない返事は理解を遅らせたが、すぐに何を示すのかわかった。

 ツェーベルとゼナストは特に反応を示さない。ベッドで横になったまま、車窓の風景を眺めている。持ち込まれているプラハッタもまた沈黙を決め込み、優馬とアリュブーの視線が交錯する。

 この沈黙の意味も、聞き出すべきだろう。優馬は強く思った。

「やっぱり、そう、なのか。一体どうするつもりなんだ?」

「もちろん、経過を見ます。異界人との間に子供ができるのはままあることですが、それでもサンプルが多いのは望ましいことですので。あとは、彼女たちの腹から採取した生の遺伝子情報を解析して……それくらいですね」

「何かの実験動物にしたりなんか、しないだろうな」

「私たちはそういった方針を持っていません。異界人との子供のデータは欲しいですし、子孫同士の掛け合わせでいずれ、かなり純血に近い人間が誕生するのではと期待することもありますけど……ね。作形に入ってからだとそれらの試料を手に入れるのも難しいので、保護移送の代金としてという部分があったのは確かです。何分、作形の人達も自分の価値は知っていますから。ふっかけられるんですよ」

 現実的な話になった。

 自身がそう思ったことに気がついて、いかにふわふわと物を考えていたのかと、優馬は更に気づいた。

 作形はこの世界で、異界人達が安心して暮らせる場所になっている。ただそれだけを思っていたが、実際にはそういうやり取りもあるのだ。決して安寧があるわけではない。身売りが如何わしいのは確かな価値観の場所で、身売りが対外の商売として存在している。その事にもショックを受けてしまったのだろう。思わず口篭ってしまう。

 内心で、言い聞かせるように取り繕っても見る。

 研究の試料として、体の一部を出すくらいならあちらでも無いわけ無いはずだ。これもきっとそういうことだ。

 その解釈はまちがいではないはず。アリュブーの言い方が誤解を招く言い方だとか、自分が悪い方向に考えてしまっただけでしかない、と。

 しかし、二百年前に来た人々の子孫が、果たしてそういう価値観を持ち続けているのか……?

 外部の者が容易に立ち入れなさそうなことと、自分のような者が時折現れるらしいことは否定材料になったが。決して、根底から想像を覆すものではない。

「皆、それを」

「知っています。あるいは予想がついているはず、という方もいらっしゃるでしょうけど」

 ツェーベルを見て、ゼナストを見て。

 自分がどうしたいのかわからず、視線は再び車窓の風景に写った。

 沈黙は恐らく、取るに足らぬことであるとか、傷を癒すことに集中しているせいなのだろうと、結論づけておく。雰囲気に気まずさもなければ、プラハッタがなにか言ってくることもない。こういう時、プラハッタは何かしら言葉を挟んでくる印象を優馬は持っている。そのプラハッタが何も言わないということは、やましいことはなにもないのだろう。こちらの価値観では、そう可笑しいことではないのかもしれない

 優馬自身、今どうして自分がやけに疲れているのかわからず。意識はその原因について矛先を変えた。

 子供がやはり出来ていそうなことか。それとも、作形がそういう土地になっているということか。はたまた、肌を重ねた女たちがあまりにドライな感情で事に及んでいたように思えたことか。

 いくつか考えてみて、三つ目が強そうだなと思う自身の童貞臭さに苦笑いが溢れる。

 わかっていたはずのことだ。実際、心を慰撫するために乗せたとアリュブーも言っていた。あれは仕事のようなもので、見合った報酬を得ていただけだと、理屈の上では理解して言える。

 けれどどうにも、納得しきれない自分がいて。そんな自分があまりに弱々しく見えるのだ。

 優馬は一度、思考の海から陸へ上がって見ることにした。慣れた海路は動きやすく、ついついそちらへ流れてしまう。これでは何も変わらない。

 舵を切って、新たな海路を見つけるのは難しいことだろう。だが今自分に何より必要なのはそれだと高く掲げ、目標として据え。ひとまずは、思考の海から離れて見ることにした。

『絹衣六号』は速度も上々。空模様は黒雲過ぎて青く、山並みも緑映えて美しい。

 行く先はラウナル大温泉湖。大河ラウナルの水源は心の潮路を示してくれそうで、疲れた優馬には今から楽しみであった。

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