セイレーン/雨の日の朝の光 (詩作)
掲載日:2026/03/21
セイレーン
セイレーンを呼ぼう
海の底から見えるのは
懐かしい街は逆光に翳って
どうしようもなく切なくなるね
二人だけの想い出を
君がいる所まで
二人の糸を弛ませないで
そんなに急いで巻かないで
ああ
針に血がついてるだけだね
セイレーンの口は柔らかいから
あわせが強過ぎるとそうなるんだ
雨の日の朝の光
雨の日の朝の光は
ねえ、二階の窓から机に差してさ
灰色に映るノートとペンは
こんなにも都会的だ
モダニズムと子供の僕は
ねえ、こんなにも上手に付き合えててさ
無味乾燥な公園の隅を
楽しそうに駆けている
カーテンの向こう側の空模様は
こんな片田舎でもちゃんとアンニュイだし
雨の日の朝の憂鬱を
綺麗な頭の中で忘れかけてる




